日本大百科全書(ニッポニカ) 「視聴者参加番組」の意味・わかりやすい解説
視聴者参加番組
しちょうしゃさんかばんぐみ
テレビ、ラジオなどの番組の形式の一つで、一般視聴者から希望者を募って出演もしくは参加させる番組。クイズ番組、ゲーム番組、バラエティ番組から、趣味・実用番組、討論番組など多様なジャンルで制作されている。また、1990年代以降、世界のテレビ業界で流行した「リアリティショー」は、バラエティ番組にドキュメンタリーの撮影手法を取り入れて、番組中に進行する出来事(冒険、恋愛など)を、より本物らしくみせるように意図して制作された番組であり、これも視聴者参加番組である。さらに、視聴者からの電話やファックス、電子メール、ウェブサイトの掲示板、データ放送の双方向機能等を利用して視聴者の意見やリクエスト、感想などを募集・紹介する番組も、広い意味では視聴者参加番組に分類することができる。
歴史の長い代表的な視聴者参加番組としては、『NHKのど自慢』(NHK、1946年~ )や『スター誕生』(日本テレビ、1971~1983年)、『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送、1971年~ )『TVチャンピオン』(テレビ東京、1992~2006年)などがある。海外で有名な番組としては、アメリカFOXテレビの『アメリカン・アイドル』(2002年~ )がある。これはアイドル発掘番組で、全米各地で行われる予選には延べ10万人以上が参加、最終的には視聴者による電話投票で候補者が絞られていくなどさまざまな点で視聴者参加型の工夫がこらされており、きわめて高い視聴率を記録している。
[米倉 律]