言事(読み)コトワザ

デジタル大辞泉 「言事」の意味・読み・例文・類語

こと‐わざ【言事】

言葉出来事
諸国に国ふみひとを置く。―を記して」〈履中紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言事」の意味・読み・例文・類語

いい‐ごといひ‥【言事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 言うこと。
    1. (イ) 言いぐさ。言い方。また、言葉。文言
      1. [初出の実例]「何を賭物(のりもの)にかけん。〈略〉いひごとをかけむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
    2. (ロ) 口にする話題。話の種。
      1. [初出の実例]「人々〈略〉興じたてまつりて、そのころのいひごとにこそし侍しか」(出典:大鏡(12C前)三)
  3. 能で、演者の発する謡の文句・言葉。所作・しぐさに対していう。
    1. [初出の実例]「言ひ事の文字にまかせて心をやるべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)三)
  4. 言い争い。口げんか。
    1. [初出の実例]「言事其上山なとにて、いひ事有之儀、不然候」(出典:梅津政景日記‐慶長一七年(1612)八月五日)

こと‐わざ【言事・言業】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ことばとできごと。
    1. [初出の実例]「始めて諸国に国史を置く。言事(コトワサ)を記して、四方の志(ふみ)を達(いた)す」(出典:日本書紀(720)履中四年八月(北野本南北朝期訓))
  3. 言うこととすること。
    1. [初出の実例]「己れと出て弛(たる)みなき、其ことわざは年を経て、見馴れ聞き馴れ修行せし」(出典:仮名草子・ぬれぼとけ(1671)中)

いわまし‐ごといはまし‥【言事】

  1. 〘 名詞 〙 言いたいと思っている事柄
    1. [初出の実例]「生けるかひなきや。誰がいはましごとにか」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

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