言語四種論(読み)ゲンギョシシュロン

デジタル大辞泉 「言語四種論」の意味・読み・例文・類語

げんぎょししゅろん【言語四種論】

江戸時代の語学書。1巻。鈴木朖すずきあきら著。文政7年(1824)刊。国語品詞を体ノ詞、形状ありかたノ詞、作用しわざノ詞、テニヲハの4種とすべきことを論じたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「言語四種論」の意味・読み・例文・類語

げんぎょししゅろん【言語四種論】

  1. 江戸中期の語学書。一巻鈴木朖(あきら)著。文政七年(一八二四)刊。単語を体の詞(ことば)形状(ありかた)の詞、作用(しわざ)の詞および「てにをは」の四種に分類すべきことを論ずる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「言語四種論」の意味・わかりやすい解説

言語四種論
げんぎょししゅろん

品詞分類の書。鈴木朖(あきら)(1764―1837)著。1824年(文政7)刊。雅語の品詞分類を説いたもの。「体ノ詞(「ことば」と読む。名詞)」、「形状(アリカタ)ノ詞(用言のうち終止形がイ段で終わるもの)・作用(シワザ)ノ詞(用言のうち終止形がウ段で終わるもの)」、「テニヲハ(感動詞・副詞・助詞助動詞活用語尾)」の3類4種に分ける。アリを「形状ノ詞」に入れる点や、テニヲハに感動詞などを入れる点が注目される。詞とテニヲハの違いについては「三種ノ詞ハサス所アリ、テニヲハゝサス所ナシ、(中略)三種ハ物事ヲサシアラハシテ詞トナリ、テニヲハゝ其詞ニツケル心ノ声也」などと述べている。これらの説は時枝誠記(もとき)(1900―67)の言語過程説にも影響を及ぼすが、時枝は活用語尾をテニヲハとしない点が鈴木朖と異なる。

古田 啓]

『岡田稔・市橋鐸編『鈴木朖』(1967・鈴木朖顕彰会)』

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世界大百科事典(旧版)内の言語四種論の言及

【鈴木朖】より

…《雅語音声(おんじよう)考》は16年(文化13)の刊行で,単語に擬声・擬態起源のものの多いことを4種に分けて説いた。《言語(げんぎよ)四種論》は24年(文政7)の刊行で,品詞分類,ことに〈てにをは〉の働きについての考え方が注目される。【林 大】。…

※「言語四種論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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