言語系統論(読み)げんごけいとうろん

改訂新版 世界大百科事典 「言語系統論」の意味・わかりやすい解説

言語系統論 (げんごけいとうろん)

比較言語学の方法によって言語系統問題にする歴史言語学の一分野。たとえば,英語フランス語は現在では別個の言語だが,系統的にはともにインド・ヨーロッパ語族に属する。地域的な隣接は系統とは関係がない。また類型的な一致も系統の証明にはならない。これまで日本語アルタイ諸語アイヌ語など多くの言語と同系とされ,最近では南インドのドラビダ語族タミル語との関係が注目されているが,いずれも十分な証明はえられていない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「言語系統論」の意味・わかりやすい解説

言語系統論
げんごけいとうろん
linguistic genealogy

親縁関係にある諸言語,すなわち同一の祖語から分れて発達してきたと考えられる諸言語について,それらの諸言語は「系統が同じである」ともいわれるが,言語間のこの種の系統関係,あるいはそれが存在するかどうかに関する研究を言語系統論という。まだ系統のわかっていない言語についてそれが他のどの言語と親縁関係をもつかを究明しようとする研究をいうことが多い。 (→比較言語学 )  

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世界大百科事典(旧版)内の言語系統論の言及

【言語類型論】より

…何千といわれる世界中の言語を分類するおもな方法には,(1)系統的,(2)地理的,(3)類型論的分類,の3種類がある。(1)は同一の源となる言語(祖語)から分岐したか否かを基準とするいわゆる言語系統論の分類で,それによりインド・ヨーロッパ語族,セム語族などといった語族分けが行われる。(2)は言語の地理的分布に基づく分類で,系統とは無関係に特定の地域に行われる言語を一グループとしてまとめるものであり,バルカン言語圏などもこの分類に属する。…

※「言語系統論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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