評価益評価損(読み)ひょうかえきひょうかそん(その他表記)valuation profit, valuation loss

改訂新版 世界大百科事典 「評価益評価損」の意味・わかりやすい解説

評価益・評価損 (ひょうかえきひょうかそん)
valuation profit, valuation loss

企業が保有中の資産を販売や消費することなく,評価替し,帳簿価額(または取得価額)と異なる価額をその保有資産に付する場合に生ずる帳簿価額(簿価)との差額をいう。

 保有資産に新しく付された価額が簿価を超えた場合が評価益であり,不足した場合が評価損である。評価益・評価損は,資産の保有中に,流行の変化,技術進歩,価格変動など企業内外に生じた偶然的原因により発生する。現行取得原価主義会計原価主義)のもとでは,評価益は会社更生や準更生などの特殊な場合にのみ計上が認められるにすぎないが,評価損は保守主義(安全性)の考え方により広く計上が認められる。棚卸資産の品質低下による評価損,一時所有目的の有価証券・棚卸資産の市場価格低下による評価損,売掛債権の回収不能見込みの計上である貸倒引当損,予期しなかった要因による価値低下による固定資産の評価損などがその例である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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