諺文(読み)オンモン

精選版 日本国語大辞典 「諺文」の意味・読み・例文・類語

げん‐ぶん【諺文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ことわざ。「世俗諺文」(書名)。
  3. おんもん(諺文)
    1. [初出の実例]「漢土(もろこし)文字朝鮮の諺文(ケンブン)、吾が邦の仮名、みな其邦のことばに従ひ」(出典:授業編(1783)三)

おん‐もん【諺文】

  1. 〘 名詞 〙 ( [朝鮮語] 'ən-mun 「諺文」の朝鮮漢字音 ) 朝鮮固有の文字。音声表記として精巧な表音文字一種で、一五世紀半ばに考案され「訓民正音」として公布された。元来、漢字に対しての卑下した名称なので、現在はハングル(han-gɯr 「大いなる文字」の意)と呼ばれる。〔現代文化百科事典(1937)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「諺文」の意味・わかりやすい解説

諺文
おんもん

「ハングル」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の諺文の言及

【漢字】より

…日本(詳細は後述)では漢字をもって漢語を表すとともに日本語を示すにも用い,またその略体から仮名(かな)の発生を見た。朝鮮は韓国では日本と同様,今日に至るまで漢語を表すに用いているが,朝鮮民主主義人民共和国ではこれを廃し,もっぱらハングル(諺文(おんもん))を用いている。しかし韓国でも漢字は漢語の表示にのみ使用し,朝鮮語を示すのには用いない。…

【訓民正音】より

…〈民に訓(おし)える正しい音〉の意で,李朝第4代の王世宗によって公布された。略して〈正音〉といい,〈諺文(おんもん)〉とも呼んだ。朝鮮では古くから漢字を利用する表記(吏読(りとう)文字)がくふうされていたが,朝鮮語を明確に表現できず,十分な伝達機能を果たせないので,広く民衆にも使用できる文字として創制された。…

【朝鮮語】より

…文法面では,用言語幹に接合する謙譲表現の接辞があり,これら二次的語幹を形成する接辞が独特の体系をなしていたが,現代語では語尾の一部に化石化して残るのみとなり,代わって時制表現の接辞の新しい体系が発達してくる点に特色がみられる。ハングル
【言語政策】
 1894年の甲午改革で〈諺文(おんもん)〉と呼んできた国字を〈国文〉あるいは〈国漢文(混用)〉として公用文に採用したが,まもなく日本統治時代を迎え(1910),解放(1945)後の政策は国字専用をめぐって展開する。問題点は,分ち書きなどを含む綴字法の制定,専門用語や一般語彙の選別査定などに集約される。…

【ハングル】より

…〈大いなる文字〉という意味であり,また〈訓民正音〉ともいう。かつては諺文(オンムン’ənmun)ともいい,日本でなまって〈おんもん〉と呼んだが,今日ではこの呼称は用いられない。
[構成]
 子音字母14,母音字母10からなる音素文字であるが,音節ごとに組み合わせた形で文字として用いられるので音節文字の性格も備えている。…

※「諺文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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