訓民正音(読み)くんみんせいおん

世界大百科事典 第2版の解説

くんみんせいおん【訓民正音】

朝鮮で李朝時代に国字を制定したとき(1446),その文字に与えた名称。公布した条例も〈訓民正音〉という。〈民に訓(おし)える正しい音〉の意で,李朝第4代の王世宗によって公布された。略して〈正音〉といい,〈諺文おんもん)〉とも呼んだ。朝鮮では古くから漢字を利用する表記(吏読(りとう)文字)がくふうされていたが,朝鮮語を明確に表現できず,十分な伝達機能を果たせないので,広く民衆にも使用できる文字として創制された。

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大辞林 第三版の解説

くんみんせいおん【訓民正音】

朝鮮の文字ハングルが一五世紀に制定された時の名称、およびそれを公布した条例の名称。 → ハングル

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精選版 日本国語大辞典の解説

くんみん‐せいおん【訓民正音】

〘名〙 朝鮮固有の音標文字。母・子音二八字から成る。李朝の世宗が一四四六年「訓民正音」の名で朝鮮固有の文字として公布した。ハングル。

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世界大百科事典内の訓民正音の言及

【朝鮮語】より

…10世紀に高麗が建国して都を中部の開城に定め,中部方言を基礎とする共通語発展の基盤が固まり,14世紀末の朝鮮王朝(李朝)建国により都は現在のソウルの地に移ったが,この態勢は引きつがれた。新羅・高麗時代の言語は漢字の複雑な用字法(吏読(りとう)文字)で記録され,断片的なものが伝わるだけで全体像の把握は困難であるが,15世紀中葉に李朝第4代の国王世宗が〈訓民正音〉を公布し,今日ハングルと呼ばれる国字が制定されて朝鮮語を細部まで表現することが可能となり,仏典や中国の古典の翻訳が盛んに行われた。当時の朝鮮語には単母音7個があって,陽母音[a]と[o],陰母音[ə,ɯ,u]の対立による母音調和が行われ,語尾や助辞にも及んでおり,母音[i]は中性母音であった。…

【竜飛御天歌】より

…110章以降は後代の王への訓誡。ハングル(1446年訓民正音として制定)による最初の資料で,注は漢文で書かれて長く,高麗末から李朝初期の中国東北部や日本に関する記事もあり,文学・語学・歴史的にも重要である。朝鮮,満州の地名,人名のハングル表記もある。…

※「訓民正音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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