講談本(読み)コウダンボン

デジタル大辞泉 「講談本」の意味・読み・例文・類語

こうだん‐ぼん〔カウダン‐〕【講談本】

講談物語を本にまとめたもの。また、講談の口演を速記して本にしたもの。講釈本。

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精選版 日本国語大辞典 「講談本」の意味・読み・例文・類語

こうだん‐ぼんカウダン‥【講談本】

  1. 〘 名詞 〙 講談の物語を本にまとめたもの。立川文庫などの類。講釈本。
    1. [初出の実例]「貸本屋から貸りた古けた講談本を読んだ」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉六)

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改訂新版 世界大百科事典 「講談本」の意味・わかりやすい解説

講談本 (こうだんぼん)

講談の刊行本をいう。すでに江戸時代にも講談の種(たね)本が〈実録本〉として貸本屋に持ちまわられていたが,明治期に入ると速記術ジャーナリズムの種々形態の発展にともない,明治中期以降,印刷された形での講談の発表が盛んになっていった。まず,2代松林伯円(しようりんはくえん)の世話講談《安政三組盃(みつぐみさかずき)》が1885年(明治18)に速記本となり,以後続々と講談本が刊行された。明治30年代には関西でも講談の速記本があらわれ,また,2代玉田玉秀斎(たまだぎよくしゆうさい)からポケット判講談本〈立川(たちかわ)文庫〉が生まれて,大正時代に広く親しまれた。さらに東京では雑誌《講談俱楽部》ができ,講談社の《講談全集》も好評となった。このような書き講談の進展は,昭和の大衆文学の成立・発展に強い影響を与えた。
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