日本歴史地名大系 「谷峰砦跡」の解説 谷峰砦跡くずやみねとりであと 山梨県:南巨摩郡南部町十島村谷峰砦跡[現在地名]南部町十島南部町と静岡県芝川(しばかわ)町にまたがる県境の山城跡。南部町十島(とおしま)と芝川町稲子(いなこ)を結ぶ旧道の最高所を葛谷峠とよんでいる。城は峠に接した北側の標高二三五メートル付近に所在する。南北に細長く延びた尾根上に立地し、眼下には尾根の先端を迂回するように富士川が大きく屈曲して流れる。「甲斐国志」古跡部によれば、「葛谷嶺ノ旧塁」として「葛谷嶺ノ上ニ旧塁存セリ。衛護ノ士ヲ置キシ址ナラン」と記される。地元では烽火台(のろしだい)や狼烟場(のろしば)とよんでいるが、城の規模や構造および機能などは明確でなかった。平成二年(一九九〇)城を含む付近一帯の石材採掘事業に伴う事前の発掘調査が行われ、土塁に囲まれた郭や堀などの各種遺構が検出され、また郭内より土師質土器や陶磁器などの遺物も出土している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by