南部町(読み)なんぶちよう

日本歴史地名大系 「南部町」の解説

南部町
なんぶちよう

面積:一一二・三四平方キロ

郡の南部に位置する。北は身延みのぶ町・西八代郡下部しもべ町、南は篠井しのい山を隔てて富沢とみざわ町、東は天子てんしヶ岳・白水しろみず山を境として静岡県富士宮市・芝川しばかわ町、西は十牧とまき山を境に静岡市に接する。東西一六キロ・南北一八キロだが、南西・北東・南東の三方向にそれぞれ長く延びた形をとる。町の中央部を富士川が北から南へ向かって貫流する。この富士川を境に西部山地と東部山地に分れる。この地域はとくに山が多く、峡南きようなん地方ともよばれ、山岳地帯は総面積の八〇パーセント以上を占めている。十牧山など西部山系から発する戸栗とくり川・船山ふなやま川、東部山系の佐野さの川はいずれも富士川へ合流し、下流域にそれぞれ平地を形成する。気候は比較的温暖で、かつ雨量も多いため林相の拡大に適している。富士川の左岸をJR身延線が南北に走り、内船うつぶな駅・寄畑よりはた駅・井出いで駅・十島とおしま駅がある。また右岸には国道五二号(旧駿州往還)が身延町から町内中野なかのを通り、古くから宿場を形成し交通の要衝として栄えた南部を通過し、大和おおわを経て富沢町に入る。

律令時代の町域は富士川右岸が巨麻こま川合かわい(和名抄)、左岸が八代郡川合郷(同書)に含まれていたといわれる。中世には甲斐源氏加賀美遠光の三男光行が南部郷に拠り南部氏の祖となった。郷の中心は現在の当町にあったと思われ、南部に居館の伝承地がある。鎌倉時代の郷域は北は波木井はきい(現身延町)から南は福士ふくし(現富沢町)にまで及んでいたと考えられるが、光行の子実長は波木井に館を構え、南部郷を支配した。


南部町
なんぶまち

面積:二九・七四平方キロ

三戸郡のほぼ中央に位置する。東は名川ながわ町、西と南は三戸町、北は五戸ごのへ町・新郷しんごう村に接する。町の北部は奥羽山脈に連なる丘陵地、南部は名久井なくい(六一五・四メートル)山麓となっており、その中央を南から流れる馬淵まべち川が右折して東へ流れ、周辺に平坦地をつくっている。西の山間からは猿辺さるべ川が流れ、町の中央で馬淵川と合流する。


南部町
みなべちよう

面積:二六・三四平方キロ

日高郡の南端に位置し、紀伊水道に面した細長い町。南東は灰坂はいさか峠から南の森の鼻もりのはなに連なる山地を境に田辺市に接し、北部は舞が辻まいがつじ峠から海岸に連なる山々を境に印南いなみ町、東は南部川みなべがわ村。南を南部川が南西に流れて南部湾に注ぎ、その流域に平地が広がるが、町域の大半が丘陵および山地である。また海岸線は田辺南部海岸県立自然公園の一画を占め、北の千里せんり海岸、南の南部海岸、そのなかに目津めづの岩地、沖に鹿島をはじめとする小島が点在し景勝地となっている。


南部町
なんぶちよう

2006年1月1日:三戸郡南部町・名川町福地村が合併し、呼称変更(ナンブマチ⇒ナンブチョウ)
【南部町】青森県:三戸郡
【名川町】青森県:三戸郡
【福地村】青森県:三戸郡


南部町
なんぶちよう

2003年3月1日:南巨摩郡南部町・富沢町が合併
【南部町】山梨県:南巨摩郡
【富沢町】山梨県:南巨摩郡


南部町
なんぶちよう

2004年10月1日:西伯郡会見町・西伯町が合併
【会見町】鳥取県:西伯郡
【西伯町】鳥取県:西伯郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南部町」の意味・わかりやすい解説

南部〔町〕
なんぶ

青森県南東部,北上高地の北端に位置し,馬淵川中流域にある町。南で岩手県に接する。 1955年向村,平良崎村が合体して南部村となり,1959年町制。 2006年名川町,福地村と合体。馬淵川およびその支流沿岸にわずかに平地があり,米,リンゴなどを栽培するほか,サクランボを特産。南部氏ゆかりの三光寺境内には国の重要文化財の南部利康霊屋 (なんぶとしやすたまや) がある。南部氏本宗家が室町時代から戦国時代まで本拠地とした聖寿寺館跡 (しょうじゅじたてあと) は,国の史跡に指定されている。南西部の三戸町境にある名久井岳 (615m) を中心とする地域は名久井岳県立自然公園に属している。馬淵川に沿って青い森鉄道が横断し,国道4号線,104号線が通る。面積 153.12km2。人口 1万6809(2020)。

南部〔町〕
なんぶ

鳥取県西部,日野川の支流法勝寺川の上・中流域にある町。米子市の南および島根県の東に接する。 2004年 10月西伯町と会見町が合体し成立。中心集落の法勝寺と天万は江戸時代の宿場町で,法勝寺はたたら製鉄で知られた。開拓は古く,付近には古墳群や条里制遺構がある。「法勝寺焼」は伝統的な特産物。鎌倉時代の鉄製観音像を収蔵する白山神社がある。天万の大安寺には重要文化財の三角縁神獣鏡がある。米,タバコ,二十世紀梨などを産するほか,和牛飼育も行なわれる。米子市への通勤者も多い。国道 180号線が通る。面積 114.03km2。人口 1万323(2020)。

南部〔町〕
なんぶ

山梨県南西部,富士川の両岸にわたる町。西は身延山地,東は天守山地に及び,山地が大部分を占める。 1955年睦合村と栄村が合体し町制。 2003年富沢町と合併。地名は中世,南部氏の居館があったことによる。中心集落の南部はかつて富士川の河港であった。十枚荘温泉をはじめ,船山,内船 (うつぶな) ,佐野川などの温泉がある。気候は温暖で雨量に恵まれ,スギ,ヒノキの産地で,茶の栽培も導入された。近年は駿河湾岸の工場地域へ通勤する兼業農家がふえている。面積 200.87km2。人口 7156(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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