貞光町(読み)さだみつちよう

日本歴史地名大系 「貞光町」の解説

貞光町
さだみつちよう

面積:四五・四〇平方キロ

郡の中央部やや西寄り、東流する吉野川の右岸(南岸)に位置する。東は穴吹あなぶき町、南は一宇いちう村、西は半田はんだ町、吉野川を挟み対岸北方は美馬町で、北東部で同じく吉野川を境にわずかにわき町と接する。一宇村から北進して当町に入った貞光川は、町域を貫流して吉野川に注ぐ。吉野川沿いや貞光川の河口部に狭小な平野が発達するが、それ以外はつるぎ山地北部の山々が連なる山間地である。集落は貞光川やその支流沿い、あるいは山間に点在し、貞光川下流部の西側にわずかに市街が形成される。町域の北端、吉野川の南岸沿いを国道一九二号(旧伊予街道)が東西に通る。その南側に並行してJR徳島線が走り、貞光駅が設けられている。また徳島市―剣山―香川県坂出市とをつなぐ国道四三八号が貞光川沿いに町域を縦断、同一九二号と交差(一部で重複)する。

町域には縄文時代から鎌倉時代の複合遺跡貞光前田さだみつまえだ遺跡やわき古墳西山にしやま古墳・長瀬上ながせうえ古墳などの古墳がある。令制以来美馬郡に属し、古代には「和名抄」に記載される同郡四郷のうちの大島おおしま郷に含まれたとする説が有力である。端山はばやま忌部いんべ神社(現在は五所神社を称する)が祀られており、阿波忌部氏が居住していたともいわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報