デジタル大辞泉
「剣山」の意味・読み・例文・類語
つるぎ‐さん【剣山】
徳島県中西部にある山。四国第2の高峰。標高1955メートル。信仰の山で、大剣神社がある。
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けん‐ざん【剣山】
- 〘 名詞 〙
- ① 生け花で、花や枝の根もとを安定させるために使う道具。金属製の重い台にとがった針を上向きに多数植えつけたもので、花材の根もとをさしてとめる。主に盛花(もりばな)に用いる。
- [初出の実例]「白い水盤を前に置いて、その真ン中に大きすぎる黒い剣山が据えてあります」(出典:女弟子(1961)〈有吉佐和子〉)
- ② 地獄にあるという、剣を植えつけた山。つるぎの山。
- [初出の実例]「地獄の変相を一観するも、亦善からずや。剣山血池、写し取て続篇と為し」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)五)
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剣山
つるぎさん
「けんざん」とも称される。県南西部の三好郡東祖谷山村・美馬郡木屋平村・那賀郡木沢村の三郡境をなす山で、標高一九五四・七メートル。四国山地東部の主峰で徳島県下の最高峰。愛媛県の石鎚山(一九八二メートル)に次ぐ西日本第二の高峰でもある。剣山登山の起点となる見ノ越(約一四五〇メートル)の東祖谷山村側には、安徳天皇・大山祇命・素戔嗚尊を祀る劔神社(大剣権現)、木屋平村側の東腹富士(藤)ノ池には同じ祭神を祀る剣神社(剣山本宮)が鎮座し、山岳信仰の山であった。
平家の馬場とよばれる山頂部は笹原のなだらかな平坦地をなし、六三〇〇年前の喜界カルデラ火山灰に覆われている。剣山は古生代末期から中生代初期にかけて海底が隆起してできた褶曲山脈の一部で、山頂部はまだ浸食が及んでいない隆起準平原の遺物とみられている。地質は砂質泥岩層を主体とし、山頂付近の北東面に分布する石灰岩質の巨岩が劔神社の神体岩や行場を形成している。山頂部の年平均気温は摂氏四・二度で、北海道稚内市の六・三度よりも低く、冬季は約一メートルの積雪がある。そのため標高一四五〇メートル付近の夫婦池・見ノ越・追分まではミズナラ純林やヒメシャラ、ナツツバキ、アズサ、イタヤカエデ、ブナなどが自生する温帯植物区をなすが、西島神社(東祖谷山村)・行場などがある標高一七〇〇―一八〇〇メートル付近までは亜寒帯植物区に属し、ダケカンバ、ナナカマド、ミネカエデ、シコクシラベなどの純林からなる。それより上部は樹木はなくミヤコザサが優占し、コモノギク、コガネギク、シコクフウロ、イブキトラノオなどが所々に群落を形成する。特産種としてツルギハナウド、トガスグリ、ケンザンデンダなどがある。動物ではシコクヒミズモグラ、アズマモグラがいる。鳥類では夫婦池から上でシコクコゲラ、コノハズク、トラツグミ、ホシガラスなどが生息する。
剣山
つるぎやま
芽室町南西部、上川郡清水町との境にある標高一二〇五・一メートルの山。日高山脈の主軸からやや東にずれた位置にあり、高さはそれほど高くないが、北・東が平野に面しているだけに、山頂からの眺望は絶景である。また芽室町の市街地付近から望むと山頂部には三つの峰が峨々としてそびえ、日高連峰中ひときわ目立つ存在となっている。このような特異な山容は日高造山運動により、山頂付近に花崗岩の岩脈が残された結果、形成されたと考えられている。「戊午日誌」(登加智留宇知之誌)にはメモロ(芽室)川支流の水源の山として「エー子ンノボリ」、「十勝国地誌提要」には「エヽン山」、道庁五万分一地形図(明治二〇年代)では「エエンエエンヌプリ」、「状況報文」には「エエンネエンヌプリ岳」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
剣山
つるぎさん
徳島県中西部、三好(みよし)市東祖谷(ひがしいや)、美馬(みま)市木屋平(こやだいら)、那賀(なか)町木沢地区の境界にある山。剣山地の最高峰で、1955メートル。石鎚(いしづち)山に次ぐ四国第二の高峰。山頂には「平家馬場」とよばれる平坦(へいたん)面があり、隆起準平原の遺物ともいう。剣山の呼称は、頂上近くの剣神社に安徳(あんとく)天皇の剣を納めたという伝説による。北斜面に石灰岩層があり、岩塔が多く行場となっている。剣山国定公園の中心をなす。1943年(昭和18)山頂に測候所が建設され、翌1944年観測が開始された(1991年より自動気象観測となり、2001年閉鎖)。霧が発生する日数は年平均270日、風速毎秒7.4メートル平均を測定し、積雪は90センチメートルに及ぶこともある。1970年(昭和45)にリフトが完成し、登山客が急増した。山頂はササの原をなし、山腹にはダケカンバ、ダケモミ、ヒメコマツが多い。
剣山は江戸時代から行者信仰の山で藤ノ池派と見ノ越(みのこし)派の2派があり、明治時代には県内に40組の講があった。夏期には、JR土讃(どさん)線阿波(あわ)池田駅、徳島線貞光(さだみつ)駅、穴吹駅から山腹の見ノ越までバスの便がある。また、1985年には東麓にスーパー林道が開通した。
[高木秀樹]
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剣山
つるぎさん
徳島県南西部,剣山地の主峰。標高 1955m。愛媛県の石鎚山 (1982m) に次ぐ四国第2の高山。秩父古生層が隆起してできた山で,おもに石灰岩の地層から成る。頂上付近は隆起準平原で,平坦であり,「平家の馬場」と呼ばれる。山岳信仰の霊山で,安徳天皇が剣を奉納したのが山名の由来ともいわれる。登山口は穴吹,貞光,祖谷 (いや) の3方面。 1964年剣山国定公園に指定。
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剣山【つるぎさん】
徳島県西部にある山。標高1955m。剣山地の主峰で,徳島県の中での最高峰。山頂付近は平家の馬場と呼ばれる笹に覆われたなだらかな平原になっている。古来修験道の信仰登山が盛ん。剣山国定公園に属し,日本百名山にも選ばれている。
→関連項目貞光[町]
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
剣山(つるぎさん)〔曲名〕
日本のポピュラー音楽。歌は男性演歌歌手、北山たけし。2009年発売。作詞:麻こよみ、作曲:原譲二。
剣山〔特急列車〕
JR四国が運営する特急列車。徳島駅から穴吹駅・阿波池田駅(徳島県)を結ぶ。1996年運行開始。
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報