日本大百科全書(ニッポニカ) 「販売費・一般管理費」の意味・わかりやすい解説
販売費・一般管理費
はんばいひいっぱんかんりひ
selling expenses, general administrative expenses
損益計算書の売上総利益の計算を行った後、そこから差し引かれる費用項目。その後に計算される利益を営業利益とよぶ。
販売費は、期中のもろもろの販売活動により発生するが、さらに損益計算書に計上される部分は、その期間の収益に対応する費用を計上することで、その期間の損益を求めるとする費用収益対応の原則に基づいて、収益と対応する部分が期間費用として計上される。具体的には、費用の見越し・繰延べ(経過勘定)処理が決算時に必要となる。その代表的な項目には、広告宣伝費、給料・諸手当(製造部門従事者以外)、支払手数料や運送費、見本費のような販売経費、貸倒引当金繰入れなどの費用項目が含まれる。
そして、一般管理費は、期中における管理活動に伴って発生する。期間費用の計上に関しては、一般管理費の代表的な項目として減価償却費があるが、機械や工場などの有形固定資産のものに関しては製造原価に計上されるので、本社の建物や備品などがこの一般管理費として計上されることになる。その他の具体的な項目としては、事務員給料・諸手当、事務用消耗品費などが含まれる。
ただし、実務上は、両者の区別を明確に行うことが困難な場合もあり、両者を一括して「販売費および一般管理費」として取り扱うことも多い。
[近田典行]