炭鉱における出荷,あるいは製鉄所,発電所などにおける受入れなどのために,石炭を蓄えること,または蓄えられた石炭をいう。その目的は,供給や出荷に対する量的安定性の確保,2以上の炭種の配合,不均質な石炭の均一化などである。貯炭には,野天または大屋根をかけた土場,あるいはそれに準ずる場所を利用する方法(ヤード貯炭)と,大きな容器を用いる方法(バンカー貯炭)とがあり,前者はふつう数万t以上の大量貯炭に,後者はそれ以下の量の石炭に対する短時間の貯炭に使われていた。しかし最近ではコールセンター(大量の石炭をコンビナートなどに配送するための貯炭施設)などで,より大容量の石炭バンカーも使われるようになっている。
ヤードなどによって長期の貯炭を行う場合には,石炭の性質と環境条件にもよるが,石炭自身とそれに含有される黄鉄鉱などの酸化により,石炭の表層内部に温度上昇を生じ,放置すると自然発火に至る危険があるし,それに至らないまでも炭質の劣化を招く。これに対しては,貯炭期間の管理に加え,ブルドーザーによる転圧などの方法で,石炭層内への空気の流通を減ずる等の対策がとられる場合がある。バンカー貯炭においても,石炭の酸化は固結による流れの悪化を招く場合がある。
→貯鉱
執筆者:井上 外志雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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