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買い物難民

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

買い物難民

過疎化で商店撤退・廃業したり、高齢で行動範囲が狭くなったりして、食料品生活必需品の買い物に困る人々。内閣府の「2005年度高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」によると、60歳以上の高齢者の16・6%が、現在住んでいる地域で不便な点として「日常の買い物」を挙げている。経済産業省は、この割合に全国の高齢者数をかけ、「難民」は約600万人と推計している。

(2011-07-20 朝日新聞 朝刊 宮崎全県 1地方)

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知恵蔵miniの解説

買い物難民

居住地域の流通機能や交通網弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々のこと(経済産業省の定義)。買い物弱者、買い物困難者、買い物貧困層ともいわれる。2008年に刊行された『買物難民-もうひとつの高齢者問題』(杉田聡)などにより広く認知された。買い物難民は、過疎化やスーパーの大型化・郊外化などで身近な商店が撤退・廃業したり、高齢化により行動範囲が狭くなったりすることなどにより生じる。経産相では、全国の買い物難民の数を約700万人と推計(15年調査)、各自治体を含め対策支援を行っており、高齢者の家を回る民間の移動スーパーも注目を集めている。

(2015-9-24)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

買い物難民
かいものなんみん

少子高齢化や過疎化などの影響により流通機能や公共交通網が弱体化したことによって、食料品や日用品など、生活必需品の買い物が困難な状況に置かれている人のこと。買い物弱者、買い物貧困層ともいう。2008年(平成20)に出版された帯広(おびひろ)畜産大学教授杉田聡(すぎたさとし)(1953― )の著書『買物難民――もうひとつの高齢者問題』で広く知られるようになった。過疎地や被災地に暮らす高齢者をはじめ、都市部の大規模団地などでも買い物難民が発生している。経済産業省が2010年にまとめた「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書」では、全国におよそ600万人と推計している。
 地方では、郊外型の大型スーパーの進出で近隣の商店が閉店に追い込まれる一方、自家用車や路線バスといった移動手段がない、あるいはあってもきわめて不便な状況に置かれた人々にとって、郊外の店舗に買い物に出かけることが困難となっている。また、都市部の大規模な団地では、病気や足腰が弱ったために、日常の買い物に支障をきたしている高齢者も多い。農林水産省は、生鮮食料品販売店舗までの距離が500メートル以上で、しかも自動車をもっていない人は全国でおよそ910万人に上り、うち350万人は65歳以上の高齢者であると推計している(2011)。
 国と地方自治体は、2011年度より買い物弱者支援関連制度を設け、買い物バスなどの移動手段の提供、宅配や買い物代行サービス、移動販売事業の支援、ミニ店舗開設の支援などを始めた。しかし、地元のスーパーや大型店の経営が成り立たなくなれば、住人の多くが買い物難民となりかねない団地やニュータウンが全国各地に数多く存在しており、早急な対応が求められている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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