費用論争(読み)ひようろんそう(英語表記)cost controversy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「費用論争」の意味・わかりやすい解説

費用論争
ひようろんそう
cost controversy

費用理論をめぐって 1920年代~30年代前半になされた論争。主としてケンブリッジ学派内部で争われたもの。供給分析において外部経済による収益逓増下での競争的均衡成立を主張する A.マーシャルら正統派経済学の理論に対し,P.スラッファが 1925,26年の論文において批判したことを端緒とする。スラッファはマーシャルが外部経済にその基盤を求めたことを非現実的と指摘し,むしろ市場の不完全性の概念を積極的に取入れることを主張した。正統派経済理論の再検討と不完全競争理論の確立契機となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android