資福寺跡(読み)しふくじあと

日本歴史地名大系 「資福寺跡」の解説

資福寺跡
しふくじあと

[現在地名]高畠町夏茂 夏刈

まつ川堤防右岸にあり、旧境内に伊達家の墓所がある。墓碑(五輪塔)は輝宗と殉死した遠藤基信のもののほか、竹森たけのもり野手倉のてぐらから移された儀山公政宗夫妻の二基が並び、傍らに全長三メートル余の六面幢と板碑六基がある。寺は近世初期、伊達氏の移封にともない陸奥岩出山いわでやまに移り、さらに仙台に移転、現在、臨済宗妙心寺派慈雲山資福寺として存続している。

弘安年中(一二七八―八八)屋代やしろ庄地頭大江長井氏三代時秀が鎌倉建長寺から紹規を招いて建立したと伝える。時秀は鎌倉幕府評定衆に名を連ね、弘安七年北条時宗の死をいたみ剃髪して西規と号した。資福寺建立には、その間の事情が関連するものと思われる。紹規は建長寺を継ぎ、二世には玉峰が迎えられた。玉峰の時代の永仁四年(一二九六)に鋳造された鐘銘に「原□□朝東山道羽州屋代庄夏狩郷有□□□□□称資福禅寺禅徒輻輳之道場祖門興行之霊地」とあり、出羽における禅門の中心地であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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