賛・讚(読み)さん

精選版 日本国語大辞典 「賛・讚」の意味・読み・例文・類語

さん【賛・讚】

〘名〙
漢文文体の一つ。人の美徳事物の美しさをほめたたえる文章。多くは、四字一句で、韻をふむ。また一般に、何かをほめたたえる文章。
※霊異記(810‐824)中「賛に曰はく」 〔文体明弁‐賛〕
② 絵のかたわらに、その絵を題として、あるいはその絵にちなんで書かれた詩、歌、文章。画賛
※異制庭訓往来(14C中)「美終則誄発。図像則讚興也」
偈頌(げじゅ)をもって仏の徳をほめたたえたもの。梵讚(ぼんさん)和讚
※栄花(1028‐92頃)鳥の舞「諸僧、梵音・錫杖の声を唱へて、讚を誦じて渡る」
④ すぐれていることをほめたたえる名、称号
※地唄(1956)〈有吉佐和子〉「既往若くて名人の讚を獲っていた現在の芸術院会員は」
批評。非難。→賛が付く賛を付ける

さん‐・する【賛・讚】

〘他サ変〙 さん・す 〘他サ変〙
① 力を添える。助ける。援助する。
② 同意する。賛成する。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉二「其論痛切、取るべきの廉(かど)頗る尠しとなさずと雖も〈略〉鼎は且賛(サン)し且つ駁して」
③ ほめる。ほめたたえる。
※大唐西域記長寛元年点(1163)一「武功の績を賛(サン)すれば諷(そへて)りて口実に成り」
絵画などに、賛の辞を記す。
※本福寺由来記(1540頃)大谷御流破却之事「世尊我一心、帰命尽十方无㝵光如来、願安楽国と讚(サン)しまします」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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