起居注(読み)キキョチュウ(その他表記)qǐ jū zhù

デジタル大辞泉 「起居注」の意味・読み・例文・類語

ききょ‐ちゅう【起居注】

中国で、天子側近にいて、その言行記録すること。また、その官職や、記録された文書

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精選版 日本国語大辞典 「起居注」の意味・読み・例文・類語

ききょ‐ちゅう【起居注】

  1. 〘 名詞 〙 中国で、天子のそばにいて、その言行を記録すること。また、その官や記録。〔後漢書‐后紀上・馬皇后〕

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改訂新版 世界大百科事典 「起居注」の意味・わかりやすい解説

起居注 (ききょちゅう)
qǐ jū zhù

中国,歴代の王朝皇帝起居言動を記した日記体の官撰記録。皇帝近侍の官がこれをつかさどり,その官もまた起居注といった。その起源ははなはだ古く,周代に始まったといわれるが,記録に残るものとしては,後漢の明帝起居注が最初である。これが制度として完備されたのは隋・唐のころであるが,皇帝の起居・言動はそのまま天下国家のうごきであるから,起居注はひろく国家の記録であるとみなされた。そして四季の終りごとにこれを史官に送り,史官はこれを整理して皇帝が死ぬとその皇帝の一代記すなわち実録とした。明はおおむね起居注をつくらなかったが,末期にいたって古制を復活し,清はこれをうけて起居注館を設けた。現在残っているものは,明末の万暦・泰昌・天啓の3朝と清の康熙より宣統にいたる9朝の分である。しかし清のものは文字通り皇帝の日常起居を記するにとどまり,前代のような国家の記録としての性質はない。
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