超構造(読み)チョウコウゾウ

化学辞典 第2版 「超構造」の解説

超構造
チョウコウゾウ
superstructure, super lattice structure

合金無機化合物には,ある温度で規則的な原子配列をもっていたものが,温度を上げると一部の原子位置を2種類以上の原子が不規則に占めるようになり,見掛け上の結晶周期がもとの結晶の整数分の1になる場合がある.このようなとき,低温相の構造を高温相の構造に対し超構造(超格子構造)という.超構造は秩序・無秩序転移によって生じる低温相の構造の一種.図はAuCuの超構造である.高温相では各原子位置をAuとCuが1/2の確率で占める.超構造をもつ結晶のX線回折図形には,無秩序相にはみられない新しい回折はん点が現れる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の超構造の言及

【結晶構造】より

… ある構造型の1種類の陽イオンAが,2種類以上の陽イオン,たとえばB,Cで置換される際,その置換が統計的に完全に無秩序であれば構造型は必ずしも変化しないが,BとCが一定の秩序でAを置換すると,必然的に格子周期が変わり,もとの構造に比べてより大きな単位胞の構造となる。この新しい構造をもとの構造の超構造という。鉱物,合金などの構造に超構造がしばしば出現する。…

※「超構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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