日本大百科全書(ニッポニカ) 「超高温」の意味・わかりやすい解説
超高温
ちょうこうおん
すべての物質は温度を上げていくと固体状態から液体・気体となり、さらに気体は電離してプラズマとなる。従来は、プラズマが生成され始める1万℃前後より高い温度を超高温とよんでいたが、核融合研究が進展するにつれて、核融合反応が盛んにおこる1億℃以上の温度をいうようになった。このようにきわめて高い温度という意味で超高温ということばが使われてきたが、学問的な意味で明確な定義があるわけではない。工学的にはもうすこし卑近に、溶接や電子ビーム溶解とも関連して、すべての高融点材料が溶解するような高温を超高温とよぶこともある。このような高温度になると、温度を日本で日常用いている摂氏(せっし)温度目盛りで読んでも、物理学で用いる絶対温度目盛りで読んでも、その差は273Kの違いであり、高温度の測定では誤差の範囲であるので、いちいちどの目盛りで読んだかということはことわらない。
[宮原 昭]