越名河岸(読み)こえなかし

日本歴史地名大系 「越名河岸」の解説

越名河岸
こえなかし

[現在地名]佐野市越名町

越名村の佐野川北岸に設けられた河岸。渡良瀬川利根川を経て江戸に至る。佐野川の利用は、佐野氏改易後、越名村に土着したという佐野氏旧臣須藤六右衛門によって図られ、河岸の開設計画は元和九年(一六二三)からあったと伝える。須藤氏の分家にあたる彦右衛門は近江彦根藩の佐野代官所足軽となったが、三代目彦右衛門は越名村付近が湿地帯であったため、明暦年間(一六五五―五八)に彦根藩の力を背景に幕府の許可を得て河岸場の改良工事を完成させた。工事は東流する佐野川を北に迂回させ、護岸工事を施すとともに十分な川幅を確保して一〇町にわたる河岸を設けた。延宝九年(一六八一)上流の一部が馬門まかど村に編入され馬門河岸となり、下流だけが越名河岸とよばれた(佐野市史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android