古墳時代の男子の服装において,膝の関節の下の位置に,袴(はかま)の上から結ぶ紐のこと。脚結,脚帯とも書く。男子埴輪の多くはこれを表現している。〈足(脚)結〉は機能により,〈脚帯〉は用法によって漢字をあてたものか。《日本書紀》の雄略天皇即位前条には,〈臣(おみ)の子は栲(たえ)の袴を七重をし庭に立たして足結撫(な)だすも〉という円大臣(つぶらのおおおみ)の妻の歌を伝え,天武5年(701)正月4日条には,天皇が皇子大夫に衣(きぬ)・袴・褶(ひらおび)・腰帯(おび)とともに脚帯をそえて賜ったことを記している。中国,北魏の正光6年(525)銘弥勒石像台座の仏供養行列図浮彫には,足結をした従者の姿があり,河南省鄧県画像塼墓の画像塼および陶俑にも,同様に狭袴の膝を縛した表現を見るから,もとは大陸起源の服装に付随した習慣であろう。なお《古事記》允恭天皇条には〈足結の小鈴〉という語があるが,群馬県藤岡市白石や栃木県足利市足利公園から出土した男子埴輪には,まさしく足結に鈴をつけた形を表現したものがある。
執筆者:小林 行雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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