輝県古墓群(読み)きけんこぼぐん(英語表記)Huī xiàn gǔ mù qún

改訂新版 世界大百科事典 「輝県古墓群」の意味・わかりやすい解説

輝県古墓群 (きけんこぼぐん)
Huī xiàn gǔ mù qún

中国,河南省輝県付近に存在する殷代,春秋戦国時代,漢代の古墓群。殷代の墓は主として県城南東の琉璃閣区に分布し,殷中期から後期にかけての遺構が認められる。琉璃閣区では春秋戦国時代の竪穴木槨墓と戦国時代の車馬坑が発見されているが,戦国墓は固囲村区,褚邱区でも発見されている。漢代墓は,琉璃閣区,褚邱区,百泉区で見つかっている。輝県の古墓群のなかで特に注目されるのは,固囲村区で1950年から52年に調査された5基の戦国墓で,これらの墓は東西約150m,南北約125mの長方形の墓域内に造られていた。このうちの3基は,大型の竪穴木槨墓で,墓上に建築址の遺構が残っていた。墓上には基壇が残り,基壇上には礎石が置かれ,基壇の周囲には雨落ちの石敷面や,瓦の散布が認められる。固囲村の3大墓の被葬者は,戦国時代魏国の王であると考えられ,墓上の建築址は,寝殿と呼ばれる建物の跡である可能性が強い。
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百科事典マイペディア 「輝県古墓群」の意味・わかりやすい解説

輝県古墓群【きけんこぼぐん】

中国,河南省輝県の琉瑠閣,固囲村を中心に分布する代から代の古墳群。戦国時代のものは,琉瑠閣から27基の墓と車馬坑,固囲村からは3基の大型墓が発見された。大型墓にはみごとな木棺,木槨(もっかく)(木槨墓)があり,銅器車馬具武器陶器が出土。

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