デジタル大辞泉 「輪転」の意味・読み・例文・類語 りん‐てん【輪転】 [名](スル)1 輪が回ること。また、輪を描いて回ること。2 《「りんでん」とも》「輪廻りんね」に同じ。「一切の衆生は五道を―し」〈康成・抒情歌〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「輪転」の意味・読み・例文・類語 りん‐てん【輪転】 〘 名詞 〙① 輪が回転すること。輪状に回転すること。輪のようにめぐること。また、めぐるように物事が順次に行なわれること。[初出の実例]「遂有東踊西没、南震北没、如レ是輪転」(出典:菅家文草(900頃)八・弁地震)「機を以て帯の両端なる輪本を運回すれば、帯転回するに従ひて、帯下の円材みな輪転し」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)[その他の文献]〔淮南子‐原道訓〕② 平安時代以降正月に行なわれた女叙位での下級の女官の叙位方式の一つ。大輪転(おおりんてん)と小輪転(こりんてん)の併称。[初出の実例]「次令下官召輪転勘文」(出典:兵範記‐仁安三年(1168)一二月四日)③ ( 「りんでん」とも ) 仏語。衆生が三界に生死をかさね、生きかわり死にかわりしてとどまることのないこと。流転(るてん)。輪廻(りんね)。[初出の実例]「十二之縁、輪転不絶」(出典:性霊集‐七(835頃)為前清丹州亡妻達親)「われらがひさしき輪転は、かなしびてもまたかぎりなし」(出典:浄業和讚(995‐1335)下)④ 経典を転読すること。また、その人々。[初出の実例]「興弘輪転之所乗英法師所望」(出典:大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)七月二〇日)⑤ 「りんてんしきいんさつき(輪転式印刷機)」の略。[初出の実例]「輪転の音が絶えずしている工場」(出典:死霊‐三章(1946‐48)〈埴谷雄高〉) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例