辜鴻銘(読み)ここうめい(英語表記)Gū Hóng míng

改訂新版 世界大百科事典 「辜鴻銘」の意味・わかりやすい解説

辜鴻銘 (ここうめい)
Gū Hóng míng
生没年:1857-1928

中国,清末・民国初の学者本名は湯生,鴻銘は字。原籍福建華僑の子としてペナン島に生まれ13歳で渡欧エジンバラ大学優等で卒業。23歳で帰国後,17年間,清朝の大官僚張之洞の幕客をつとめ日本女性吉田貞子を妻とした。中華民国成立後,蔡元培北京大学長のもとで英文学の講座を担当,辮髪をたくわえた保守派の名物教授として芥川竜之介と会談したこともある。1924年,来日し大東文化学院の講師として3年間滞在。帰国後,山東大学長になったがまもなく病没した。《読易草堂文集》のほか《The Spirit of the Chinese People》など英文著書が多数ある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「辜鴻銘」の意味・わかりやすい解説

辜鴻銘
ここうめい
Hua Hong-ming; Ku Hung-ming

[生]咸豊7(1857).マライペナン
[没]1928. 北京
中国,清末,民国初期の学者。福建省同安県の人。名は湯生。字は鴻名。華僑の子として生れ,エディンバラ大学を卒業後,ドイツ,フランス,イタリアなどに遊学張之洞秘書をつとめ,のち外務部左丞となった。民国成立以後は官途につかず,著述,教育に専念した。また復辟論者 (→復辟運動 ) として旧中国文明を擁護し,五・四運動に反対した。 1924~27年来日して大東文化学院の講師をつとめ,帰国後張作霖顧問となった。多数の英文著書により,中国文明を紹介した。

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