官途(読み)かんと

精選版 日本国語大辞典 「官途」の意味・読み・例文・類語

かん‐と クヮン‥【官途】

〘名〙 (古くは「かんど」とも)
官吏としての職務または地位官職官位
平治(1220頃か)上「又官途のみにあらず、奉祿も猶心のまま也」 〔白居易‐香爐峯下新卜山居題東壁重題詩〕
② (━する) 仕官の道。官吏となること。仕途。
※御湯殿上日記‐明応八年(1499)八月一二日「山ふしくわんとの御れい二千疋まいる」
日葡辞書(1603‐04)「Quando(クヮンド) スル」
鎌倉時代受領に対して、京官をいう。
吾妻鏡‐正治二年(1200)九月二五日「山城三郎行村等、日来所望官途事、仍所申靫負尉也」
④ 室町時代以降、庶民が成人し、その属する集団の有資格者と認められるために宮座・村落などに申請して与えられる、衛門(えもん)・尉(じょう)などの名。その名を名乗る儀礼を官途成(かんどなり)という。
※本福寺門徒記(1560頃)「その弟近藤といふ。官途(クヮント)して三郎衛門といふ」

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デジタル大辞泉 「官途」の意味・読み・例文・類語

かん‐と〔クワン‐〕【官途】

《古くは「かんど」》
官吏の職務、または地位。官職。
鎌倉時代、受領ずりょうに対して、京官の称。
[類語]公職官職特別職一般職総合職専門職

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普及版 字通 「官途」の読み・字形・画数・意味

【官途】かん(くわん)と

仕官のみち。官吏の生活。唐・白居易〔香炉峯下、新たに山居を卜す~〕詩 官此れより心に長く別る 世事今より口に言はざらん

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