辺幅を飾る(読み)ヘンプクヲカザル

デジタル大辞泉 「辺幅を飾る」の意味・読み・例文・類語

辺幅へんぷくかざ・る

外見を飾る。見えを張る。辺幅を修飾する。「―・らない人」

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精選版 日本国語大辞典 「辺幅を飾る」の意味・読み・例文・類語

へんぷく【辺幅】 を=飾(かざ)る[=修飾(しゅうしょく)する]

  1. うわべをかざる。みえをはる。辺幅を修める。
    1. [初出の実例]「修飾辺幅、厳其外貌」(出典:南郭先生文集‐三編(1745)七・読雪菴記)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐馬援伝〕

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故事成語を知る辞典 「辺幅を飾る」の解説

辺幅を飾る

うわべや身なりを立派にすることのたとえ。

[使用例] 門弟達は佐助の身なりが余りみすぼらしいのを気の毒がり今少し辺幅を整えるように諷する者があったけれども耳にもかけなかった[谷崎潤一郎春琴抄|1933]

[由来] 「漢書えん伝」に出て来る話から。一世紀、後漢王朝が成立する直前、混乱の時代の中国でのこと。自立して皇帝を名乗っていたこうそんじゅつのところに、昔なじみの馬援がようすを見にやってきました。皇帝として、盛大なもてなしをする公孫述。しかし、馬援は、「天下形勢がまだ定まらない今、公孫述は自分で走り回ってでも人材を集めて、今後の方針を練るべきだ。それなのに、『辺幅を修飾して、偶人形の如し(布地の縁を飾るばかりで、人形のようだ)』」と考えて、公孫述の部下となるのはやめたということです。後に、馬援はりゅうしゅうという豪族に仕えましたが、彼の見立て通り、劉秀が後漢王朝を開き、公孫述は滅ぼされてしまったのでした。

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