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春琴抄 しゅんきんしょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春琴抄
しゅんきんしょう

谷崎潤一郎の小説。 1933年発表。失明の美女で誇り高い琴の師匠春琴は,求愛を退けた男に熱湯を浴びせられて醜い顔になる。いちずに春琴を慕う奉公人の佐助は,みずから目をつぶして春琴の傷心に殉じ,失明の師弟として生涯をおくることとなる。

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デジタル大辞泉の解説

しゅんきんしょう〔シユンキンセウ〕【春琴抄】

谷崎潤一郎の小説。昭和8年(1933)発表。美貌(びぼう)で盲目の琴三弦師匠、春琴に仕える弟子の佐助の愛と献身を描く。

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百科事典マイペディアの解説

春琴抄【しゅんきんしょう】

谷崎潤一郎中編小説。1933年《中央公論》に発表。大阪の薬種商の娘春琴は早く失明し琴の道に入った。しかし性格は驕慢で,そのため何者かに熱湯をあびせられ,醜く変相する。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅんきんしょう【春琴抄】

谷崎潤一郎の小説。1933年6月《中央公論》に発表。作者のいわゆる〈古典回帰の時代〉を代表する傑作の一つ。大阪道修(どしよう)町の商家の娘春琴は幼くして失明,琴三絃の世界で天才ともてはやされたが,その性質は驕慢で,ために何者かに顔に熱湯を浴びせられて醜く変相する。春琴の門弟で,女師匠に深い愛情を抱いていた奉公人佐助は,自分の手で針で眼を突き,盲目の身となる。物語はこの2人の愛の完成を描く。作者は,このおよそ世にありえぬストーリーに現実感を与えるために工夫を凝らし,みずから〈物語風〉と名づけた新しい話法を開拓している。

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大辞林 第三版の解説

しゅんきんしょう【春琴抄】

小説。谷崎潤一郎作。1933年(昭和8)「中央公論」に発表。美貌で盲目の娘春琴と、奉公人で地唄の弟子でもある佐助の献身的な愛を描く。作者独自の女性崇拝・嗜虐しぎやくの世界を完成した作品。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

春琴抄
しゅんきんしょう

谷崎潤一郎(じゅんいちろう)の中編小説。1933年(昭和8)6月『中央公論』に発表。同年、創元社刊。大阪道修町(どしょうまち)の薬種商鵙(もず)屋の娘琴(こと)は、幼時に失明し、以後琴三絃(さんげん)に生きる。四つ年上の奉公人の佐助に付き添われて師匠のもとに通い、やがて門下随一となり、春琴と名のる。春琴は驕慢(きょうまん)な盲目の美女だが、彼女を敬慕し音曲の弟子にもなって献身的に仕える佐助の子を生む。しかし、夫婦の関係になっても、あくまで奉公人で門弟の位置を崩さない。圧巻は、ある夜何者かのために、春琴がその顔面に熱湯を浴びせられるや、それを見まいとして、佐助が両眼を針で突いて自ら盲目となり、師弟相擁(あいよう)して泣く場面で、以後、春琴は佐助のうちに永遠の美女として生きることになる。ここに『刺青(しせい)』以来の谷崎文学の、マゾヒズムによる女性拝跪(はいき)の極致がみられよう。島津保次郎(やすじろう)監督の『お琴と佐助』(1935)以降、映画化も多い。[大久保典夫]
『『春琴抄』(角川文庫・新潮文庫)』

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