返申(読み)かえりもうし

精選版 日本国語大辞典 「返申」の意味・読み・例文・類語

かえり‐もうし かへりまうし【返申】

〘名〙
使者が帰って来て、その返事報告をすること。また、その報告や返事。復命。かえりごともうし
※続古今(1265)離別・八四一・詞書「おなじ群行の長奉送使(ちょうぶそうし)にてまかりくだりて、かへりまうしの暁、女房の中へつかはしける」
② (「かえりもうじ」とも) 神仏へお礼参りをすること。報賽(ほうさい)。願ほどき。かえりもうで。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「万の神たちに、返申の幣帛(みてぐら)奉らん」
源氏(1001‐14頃)玉鬘「三条らも、ずいぶむに栄えて、かへり申はつかうまつらむ」
神前仏前から立ち去るときに別れの礼拝をすること。また、その礼拝。
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)一「いざ神前へ御暇(いとま)、賽(かへり)もうしの拍掌(かしはで)の」

かえり‐もう・す かへりまうす【返申】

〘自サ四〙
① 使者が、帰ってその報告や返事を伝える。復命する。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
② 願いがかなえられて神仏へお礼参りをする。
※白氏文集天永四年点(1113)四「朝に祈り暮に賽(カヘリマウシ)て巫口に依る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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