通商代表部(読み)ツウショウダイヒョウブ(その他表記)trade delegation

デジタル大辞泉 「通商代表部」の意味・読み・例文・類語

つうしょう‐だいひょうぶ〔ツウシヤウダイヘウブ〕【通商代表部】

社会主義国が国営貿易業務を行うため外国に設置する出先機関。その職員には原則として外交特権が認められる。

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精選版 日本国語大辞典 「通商代表部」の意味・読み・例文・類語

つうしょう‐だいひょうぶツウシャウダイヘウブ【通商代表部】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 国営貿易を行なっている社会主義国が、外国との貿易業務その他の通商関係の事務を行なうため海外に設けた出先機関。通常その代表には外交特権が認められる。
    1. [初出の実例]「日本国は、ソヴィエト社会主義共和国連邦がその通商代表部を日本国に設置することに同意する」(出典:日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の通商に関する条約(1958)一一条)
  3. アメリカ合衆国大統領行政府の一機関。通商政策全般を作成、実施する。代表は大統領直属の閣僚に準ずる。略称USTR。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「通商代表部」の意味・わかりやすい解説

通商代表部
つうしょうだいひょうぶ
trade delegation

かつて、社会主義諸国が外国に駐在する外交使節団の一部門として派遣したもの。社会主義国では国家が貿易を独占したことから、国家自身が通商を行うために設置した行政部門であった。しかし、東欧圏の崩壊とともに、そのような通商代表部はなくなった。今日この名前で注目されるのは、資本主義国のアメリカ通商代表部USTR)であるが、外国駐在の使節団ではなく、大統領の補佐機関である。

[広部和也]

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知恵蔵 「通商代表部」の解説

通商代表部

1963年の大統領行政命令で設立された、通商交渉のための特別代表部の後身。74年の通商法により大統領行政府(EOP)の1機関として位置付けられ、関税法、通商拡大法、通商法で規定する通商協定の実施に当たる。さらに通商政策を調整する役割と権限が付加され、80年以来、米国の通商政策全般を作成、実施している。世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)における米国代表、国連貿易開発会議(UNCTAD)での交渉など、極めて幅広い活動領域を持っている。新包括貿易法(88年発効)により、USTRは通商法301条に基づく不公正貿易の調査・勧告などを行うことになった。通商代表は大統領直属の閣僚級で、大使の資格がある。やはり大使資格の次席代表が2人おり、1人はワシントン、1人はジュネーブに常駐している。

(細谷正宏 同志社大学大学院アメリカ研究科教授 / 2007年)

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