通級による指導(読み)つうきゅうによるしどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「通級による指導」の意味・わかりやすい解説

通級による指導
つうきゅうによるしどう

小学校中学校および中等教育学校の前期課程において,軽度の障害をもつ児童生徒が普通学級に在籍しながら,障害の状態に応じた指導を受けるシステム。難聴弱視言語障害自閉症情緒障害など軽度の障害をもつ子供たちの教育の充実をはかる目的で,学校教育法改正により 1993年度から全国で実施されたが,一部の自治体では以前から独自に行なっていた。 2006年度からは学習障害注意欠陥多動性障害の児童・生徒も対象に加えられた。おもに普通学級で授業を受けながら,個別症状に応じて週に1~8回程度,学校内または他の小中学校や特別支援学校などの特別な場所で,障害の改善,克服のための指導を受ける。初年度の対象者は全国で約1万 2000人だったが,2006年度には4万人をこえた。

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知恵蔵 「通級による指導」の解説

通級による指導

小・中学校の通常の学級に在籍している軽度の障害のある児童生徒に対して、各教科等の指導を通常の学級で行いながら、障害(言語障害、情緒障害、弱視、難聴等。知的障害は対象外)による困難の改善・克服のために別の教室で行う特別の指導。1993年度から、言語障害、情緒障害、弱視、難聴などのある児童生徒を対象として行われていたが、2006年度から学習障害児と注意欠陥・多動性障害児も対象となった。在籍校の通級指導教室に通う自校通級と他校のそれに通う他校通級などがある。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)

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