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注意欠陥多動性障害 ちゅういけっかんたどうせいしょうがい Attention-Deficit Hyperactivity Disorder;ADHD

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

注意欠陥多動性障害
ちゅういけっかんたどうせいしょうがい
Attention-Deficit Hyperactivity Disorder;ADHD

不注意な過ちをする (注意欠陥) ,落ち着きがなく体をしょっちゅう動かす (多動性) ,衝動的な行動が目立つという症状がある行動障害。症状の出方により注意欠陥型,多動衝動型,混合型がある。症状は幼児から児童で目立ち,全体の3%ほどに見られる

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

ちゅういけっかんたどうせい‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【注意欠陥・多動性障害】

エー‐ディー‐エッチ‐ディー(ADHD)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

注意欠陥多動性障害
ちゅういけっかんたどうせいしょうがい
attention deficit/hyperactivity disorders

不注意、多動、衝動性を主症状とする行動の発達障害。略称ADHDアメリカ精神医学会が定めた精神疾患の診断と分類の基準(diagnostic and statistical manual of mental disordersをDSMと略称)に記載されている。なお、日本児童青年精神医学会は、ADHDの日本語訳として注意欠如多動性障害を提案している。
 歴史的には、微細脳障害(minimal brain dysfunction、MBDと略称)と総称されていた状態の一部である。これらの軽度脳損傷児が示す症状のうち、行動の側面を整理して診断概念としたもので、いわゆる多動児の医学的診断名に相当する。なお、MBDの学習・認知の側面からの概念は、後の学習障害へと展開していった。
 1980年に発表されたDSM第3版では、いわゆる多動児は、注意欠陥障害(attention-deficit disorders、ADDと略称)として定義されていた。当時、多動の基礎病態は不注意にあると考えられたためである。1987年のDSM第3版改訂において、診断基準の見直しが実施された。その際に、ADDにかわって、ADHDが使用されるようになった。1994年のDSM第4版で再度改訂された基準がADHD診断に用いられる。
 2013年5月、DSM第5版が発表された。ADHDの症状項目に大きな変更はないが、症状出現の時期を7歳未満から12歳未満に引き上げたこと、成人(17歳以上)の診断の場合、診断のための基準を9項目中5項目(子供の場合は6項目)以上としたこと、症状の確認場所を学校、職場、家庭だけでなく、友人関係や地域での活動の場も加えたこと、これまでのDSMでは自閉症圏の障害を優先して診断するため、広汎性発達障害とADHDの併存診断は認められていなかったが、DSM第5版では広汎性発達障害が自閉症スペクトラム障害と改められ、ADHDとの併存診断が可能となった。臨床の実態にあわせた変更である。
 ADHDは学童の3~7%に存在し、発達障害としてはもっとも高頻度である。男女比は4対1から9対1と、調査によって比率は異なるが、男性に多い障害である。欧米の成人期の調査では、4%程度の有病率で、男女比は1対1となる。学童期の調査結果との差異の理由は明らかにされていない。
 発症にいたる要因はさまざまであるが、前頭葉―大脳基底核―小脳の機能的連携障害が基盤に存在する。結果的に高次脳機能の出力の(自己)制御の問題が生じて、行動、情緒、認知、言語、時間管理などの側面でADHDの症状が形成されると説明されている。その特徴は家族集積性にあり、遺伝的要因がその発症に強い影響を及ぼしている。
 ADHDの症状は就学前から存在している。成人期に発症することはない。特定の場面のみで症状を示すことはなく、いくつかの場面(家庭と学校、職場など)でその症状を確認することが診断の前提となる。なお、現状でADHDを診断するための客観的検査は開発されていない。熟練した臨床医の判断がその根拠となる。また、症状の存在と不適応の出現とに時間的ずれが生じることがしばしばである。つまり、ADHDのある子供は、自己制御がより求められる、集団生活が始まる年齢になってもうまくふるまえずに不適応を示すが、家庭や他の環境などで、比較的自由な場面が多い年齢ではそれほどの問題行動を示さず、その存在に気づかれない場合もある。
 学童期前半までは多動が症状の中心である。その後、多動が減弱していくのが自然の経過である。思春期前にはおおよそ3分の1の例で寛解に至るが、不注意と衝動性はかなりの例で成人期まで残存することが明らかになった。
 合併障害としては、学習障害(20~30%)、性格の偏りである反抗挑戦性障害(40~50%)、いわゆる不器用の診断名である発達性協調運動障害(40%程度)などがあげられる。
 ADHDの症状を和らげるために薬物治療が用いられる。とくに中枢神経刺激剤(メチルフェニデートなど)の効果が優れており、有効率は60~80%に及ぶ。最近、新しいタイプのADHD治療薬としてアトモキセチンが使用されるようになった(日本では2009年より使用)。即効性はないが、治療効果はほぼ同等である。しかし、薬物治療のみでは不十分で、行動療法、教育的支援、親カウンセリングなどを組み合わせた包括的治療が推奨されている。[原 仁]
『全国情緒障害教育研究会編『通常の学級におけるAD/HDの指導』(2003・日本文化科学社) ▽原仁・笹森洋樹編著『イラスト版ADHDのともだちを理解する本』(2008・合同出版) ▽齊藤万比古・渡部京太編『注意欠如・多動性障害‐ADHD‐の診断・治療ガイドライン』第3版(2008・じほう) ▽トーマス・E・ブラウン著、山下裕史朗・穴井千鶴監訳『ADHD 集中できない脳をもつ人たちの本当の困難――理解・支援そして希望へ』(2010・診断と治療社) ▽岩坂英巳編著『困っている子をほめて育てる ペアレント・トレーニングガイドブック 活用のポイントと実践例』(2012・じほう) ▽樋口輝彦・齊藤万比古監修『成人期ADHD診療ガイドブック』(2013・じほう)』

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