連合カナダ植民地（読み）れんごうカナダしょくみんち（英語表記）Province of Canada

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

連合カナダ植民地
れんごうカナダしょくみんち
Province of Canada

1841年2月 10日，前年の連合法により，カナダに創設されたイギリスの植民地。従来のアッパーカナダとローアーカナダが合体して一つの植民地となり，議会にはカナダ西部 (旧アッパーカナダ) とカナダ東部 (旧ローアーカナダ) の2つの行政区から，それぞれ同数の代表が選出されることになった。これはダラム報告に基づいてなされた編成であって，イギリス政府の意図は両カナダの統一により，フランス系カナダ人をイギリス系カナダ人が圧倒，吸収するところにあったが，当時のカナダの政治的発展はそのような意図の実現を許すようなものではなかった。この情勢をみてとった総督エルギン (伯)は，48年 R.ボールドウィン，L.ラフォンテーヌに組閣を依頼し，連合カナダ植民地はここに責任政府を獲得した。 50年代のカナダ植民地は，54年のアメリカとの互恵通商条約の締結，カナダ西部における聖職者留保地の廃止，カナダ東部における荘園制の廃止により，経済的に飛躍的な発展が可能となった。 67年7月1日，カナダ自治領の成立とともに連合カナダ植民地は消滅し，ケベック州とオンタリオ州の2州が誕生した。

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