デジタル大辞泉 「逸りか」の意味・読み・例文・類語 はやり‐か【▽逸りか】 [形動ナリ]1 調子が早く軽快なさま。「―にかき鳴らしたるを、中納言、堪へずをかしうや思さるらむ」〈堤・逢坂越えぬ権中納言〉2 軽はずみで落ち着きのないさま。おっちょこちょい。「品々しからず、―ならましかばしも」〈源・東屋〉3 はしゃいでいるさま。「―にうちささめきたるも、又はづかしげにのどかなるも」〈堤・縹の女御〉4 せかせかしているさま。「―に走り書きて」〈源・若菜上〉5 勇ましいさま。「弓引く道にも猛く、おほかた御本柱―に」〈増鏡・むら時雨〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「逸りか」の意味・読み・例文・類語 はやり‐か【逸か・早か】 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語 )① 調子が早くて軽快なさま。はずんださま。[初出の実例]「掻き返し、はやりかに弾きたることばども古めきたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)② 勢いづいたり、はしゃいだりしているさま。[初出の実例]「心にまかせて、はやりかなるすき事、をさをさ好まず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)匂宮)③ 軽はずみなさま。せかせかしたさま。せっかちなさま。[初出の実例]「ゐ中びたるざれ心、もてつけて、品々しからず、はやりかならましはしも、形代(かたしろ)、不用ならましと」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)④ 勇敢なさま。[初出の実例]「弓ひく道にもたけく、おほかた、御本上はやりかにおはして」(出典:増鏡(1368‐76頃)一五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例