家庭医学館の解説
かしょうげっけい【過少月経 Hypomenorrhea】
月経血(げっけいけつ)の量が極端に少ない場合をいいます。月経の持続日数が2日以内のときを過短月経(かたんげっけい)といい、両方が同時におこることもよくあります。
原因は、子宮に異常のある器質性のものと、異常のない機能性のものに分けられます。
■器質性過少月経(きしつせいかしょうげっけい)
子宮の発育の悪い子宮発育不全(しきゅうはついくふぜん)、結核性の子宮内膜炎(しきゅうないまくえん)、数度にわたる中絶のための子宮内膜掻爬術(そうはじゅつ)や、帝王切開(ていおうせっかい)後の感染などで子宮内腔(ないくう)の前壁と後壁がくっついてしまう子宮癒着症(ゆちゃくしょう)(アッシャーマン症候群)などが、原因としてあげられます。
■機能性過少月経(きのうせいかしょうげっけい)
排卵(はいらん)のない無排卵周期症(むはいらんしゅうきしょう)や、黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)(「黄体機能不全」)のときにおこります。
[治療]
器質性過少月経の原因となる子宮発育不全には、卵胞(らんぽう)ホルモンと黄体ホルモンを月経周期と同じように補充するカウフマン療法を行なって、出血を周期的におこすとともに、子宮発育を助けていきます。
子宮癒着症は、癒着を剥離(はくり)した後、再癒着しないように子宮腔内に避妊リングなどを挿入し、ホルモン療法で月経をおこして治療します。
機能性過少月経には、無月経(「無月経」)の場合と同じように、排卵をおこすクロミフェン療法か、ホルモンを補充するカウフマン療法を行ないます。