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子宮内膜炎 しきゅうないまくえんendometritis

翻訳|endometritis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

子宮内膜炎
しきゅうないまくえん
endometritis

子宮腔の内側の粘膜層の炎症。頸管内膜と体部内膜それぞれの内膜炎があるが,一般に前者は特別な誘因がなくても炎症が起り,しかも慢性化しやすい傾向がある。それに対して後者は,産褥期や自然流産人工妊娠中絶後に最も起りやすく,慢性化することが多い。また淋菌性の腟炎や頸管炎から炎症が子宮内に及ぶこともある。

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デジタル大辞泉の解説

しきゅうないまく‐えん【子宮内膜炎】

子宮内膜に細菌が感染して起こる炎症。

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百科事典マイペディアの解説

子宮内膜炎【しきゅうないまくえん】

子宮内膜に化膿菌(連鎖球菌ブドウ球菌,淋(りん)菌,大腸菌,結核菌など)が感染して起こる炎症。急性と慢性がある。子宮頸管(けいかん)の粘液栓(せん)が弱まった場合(流産,分娩(ぶんべん),産褥(さんじょく),月経時など),頸管ポリープがある場合などに予防が不完全であると急性内膜炎となる。
→関連項目月経過多月経困難淋病

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家庭医学館の解説

しきゅうないまくえん【子宮内膜炎 Endometritis】

[どんな病気か]
 子宮内膜は、子宮の内側をおおっている粘膜(ねんまく)で、その粘膜に細菌が感染してひきおこされる炎症です。子宮内膜炎は産褥(さんじょく)性と非産褥性に分けられます。
 産褥性子宮内膜炎(さんじょくせいしきゅうないまくえん)は、分娩(ぶんべん)後に悪寒(おかん)をともなう高熱、膿性帯下(のうせいたいげ)(膿(うみ)のようなおりもの)、不正性器出血といった症状が現われます。子宮は収縮不良となり、圧痛(押すと痛い)がおこります。
 非産褥性子宮内膜炎(ひさんじょくせいしきゅうないまくえん)は、全身的な症状は少なく、膿性帯下の増加、下腹部の不快感、熱感がおもな症状となります。高齢の女性に発症した場合、子宮内に膿がたまり、子宮留膿腫(しきゅうりゅうのうしゅ)と診断されることも多くみられます。
[原因]
 流産、分娩、子宮内の手術、性感染症(「性感染症(STD)とは」)などが誘因となって発症します。流産後および分娩後は子宮内遺残物(いざんぶつ)(絨毛(じゅうもう)または胎盤(たいばん)や卵膜(らんまく)など)により子宮内感染が持続し、炎症が強くなります。
 多くは外部からの菌の侵入によるものですが、結核菌の場合は血行性感染により発症します。
 子宮留膿腫は、子宮頸部(しきゅうけいぶ)または子宮体部(しきゅうたいぶ)の悪性腫瘍(あくせいしゅよう)により頸管狭窄(けいかんきょうさく)をおこして発症することもあるので、十分注意が必要です。
[治療]
 膿性の帯下または子宮内の細菌の培養検査を行ない、感受性のある抗生物質の注射または内服をします。流産や分娩後の子宮内膜炎は、子宮内の遺残物が原因で炎症が持続していることが多いため、子宮内の遺残物を除去(掻爬(そうは))し、子宮収縮剤を使用します。また子宮留膿腫の場合は、子宮口を広げて、たまった膿を排出させることが必要です。

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世界大百科事典 第2版の解説

しきゅうないまくえん【子宮内膜炎 endometritis】

子宮体内膜炎ともいう。細菌が子宮頸管を上行して子宮体内膜に達して炎症を起こすものの総称で,急性子宮体内膜炎が代表的疾患である。原因菌は連鎖球菌,淋菌,ブドウ球菌,大腸菌,そのほか嫌気性菌などであり,典型的かつ臨床症状の重篤なものに産褥(さんじよく)性子宮内膜炎がある。子宮内膜炎の誘因には,流産,人工妊娠中絶,産褥子宮感染,性交による淋菌感染,婦人科的手術または子宮内操作,IUD挿入,タンポン挿入,放射線治療などがある。

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大辞林 第三版の解説

しきゅうないまくえん【子宮内膜炎】

子宮壁最内層の粘膜(子宮内膜)の炎症。大部分は分娩・流産後の細菌感染が原因。

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世界大百科事典内の子宮内膜炎の言及

【子宮】より

…子宮は生理的には小骨盤腔のほぼ中央に位置し,前傾前屈の位置をとっているのが普通であるが,位置異常として子宮が病的に後転する子宮後屈症,子宮が全体として前後左右に位置を変える子宮転位,また子宮が上下方向へ移動する子宮上昇や子宮脱などがある。子宮体内膜の炎症には急性子宮内膜炎があり,連鎖球菌,淋菌,大腸菌などが原因菌となり,分娩,流産,人工妊娠中絶,IUDなどが誘因となる。炎症が進行し,子宮筋層へ及ぶと子宮筋層内膜炎となり,症状はいっそう強くなる。…

※「子宮内膜炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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