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排卵 はいらんovulation

翻訳|ovulation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

排卵
はいらん
ovulation

成熟した卵胞が内部の液圧の増加と黄体形成ホルモン (排卵ホルモンともいう) の働きで破裂し,卵子卵巣外に放出される現象。胚上皮から生じた1個の卵細胞成熟卵胞 (→胞状卵胞 ) となり,排卵を行う能力をもつようになる。ヒトでは約4週間に1個ずつ左右の卵巣で交互に排卵が起る。その時は次回月経開始予定日の 12~16日前で,卵管腹腔口の采部から卵管に入って子宮に向う。

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デジタル大辞泉の解説

はい‐らん【排卵】

[名](スル)卵巣から、成熟した卵子が排出されること。卵胞が発育してグラーフ濾胞(ろほう)となり、卵巣表面に盛り上がると破裂して卵子を出す。人間では、約4週間間隔で起こる。「排卵日」

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百科事典マイペディアの解説

排卵【はいらん】

卵胞が破れて成熟した卵が卵巣から排出されること。排卵された卵は卵管に入り,ここで精子との間に受精が起こる。排卵は脊椎動物では脳下垂体前葉から分泌される生殖腺刺激ホルモンによって調整され,一般に哺乳(ほにゅう)類ではその分泌に周期性があるため排卵も周期的。
→関連項目月経多胎妊娠腟内リング排卵誘発薬

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栄養・生化学辞典の解説

排卵

 卵巣から成熟した卵が腹腔内へ排出されること.

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世界大百科事典 第2版の解説

はいらん【排卵 ovulation】

卵(卵細胞)が成熟して卵巣から排出されることをいう。無脊椎動物でも排卵現象はあるが,一般には脊椎動物についていうことが多い。無脊椎動物では排卵された卵は,環形動物多毛類のように体腔中にでる場合もあれば,昆虫の場合のように輸卵管に入る場合もある。ただし,卵が直接生殖孔から体外に排出される現象は,産卵あるいは放卵と呼ばれ,排卵とはまったく異なるものである。脊椎動物では一般に卵の成熟および排卵は,脳下垂体前葉ホルモンの支配を受けている。

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大辞林 第三版の解説

はいらん【排卵】

( 名 ) スル
卵巣の卵胞が破れて成熟した卵子が排出されること。動物によって異なるが、人間では約四週間に一回の周期で起こる。 「 -期」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

排卵
はいらん

卵巣から卵が放出されることをいう。排卵の時期は月経初日から数えておよそ2週間ころにあたる。一生涯には約35年間に毎月1回排卵し、400回ほど排卵するといわれる。卵巣の原始卵胞が発育して成熟卵胞(グラーフ卵胞)となり、しだいに卵巣の表面に移動し、卵胞から卵が放出される。卵胞のこの発育成熟過程には、下垂体前葉から分泌される卵胞刺激ホルモンがおもに関与し、引き続き黄体形成ホルモンが大量に衝撃的に放出されたのち、およそ24時間ほどで排卵がおこるといわれる。放出された卵は卵管采(さい)によって速やかに採取され、卵管膨大部で精子と合体して受精が成立し、妊卵となる。排卵後には卵巣に黄体が形成され、黄体ホルモンが分泌される。したがって、排卵の有無は、基礎体温曲線上高温相があること、尿中プレグナンジオールや血中プロゲステロンの増加、子宮内膜の組織検査によって分泌期に特有な変化が認められるので知ることができる。[新井正夫]

動物における排卵

動物の卵巣から成熟した卵が放出される現象をいい、主として脊椎(せきつい)動物に関して用いられる。卵巣には卵を抱含する濾胞(ろほう)があるが、下垂体の濾胞刺激ホルモンの働きで濾胞が発達し、内腔(こう)に液がたまり膨大したグラーフ濾胞になる。卵は濾胞の載卵丘の中で成熟し、下垂体から分泌された多量の黄体形成ホルモンに刺激されて濾胞が破裂すると、濾胞液や載卵丘の細胞とともに卵巣から放出されて輸卵管に入る。哺乳(ほにゅう)類の卵巣には多数の原始卵細胞があるが、大部分は排卵されずに退化する。排卵される卵の数は原始卵細胞の数千分の1でしかない。発達した濾胞では、黄体形成ホルモンに刺激されると種々の酵素が活性化されるため顆粒(かりゅう)膜細胞層が薄くなり、同時に濾胞の最外層を構成する結合組織が分解する。これらは濾胞で合成されたプロスタグランジンによって引き起こされると考えられている。このように薄くなった濾胞は濾胞液の増大によって破裂し、卵を放出する。しかし、哺乳動物の排卵はかならずしも自動的におきるとは限らない。ネズミでは発情のたびに周期的に排卵するが、ウサギやイタチでは交尾の刺激がない限り排卵はおきない。同じ霊長類でもアカゲザルはヒトと違って夏期は月経があってもほとんど排卵しない。
 なお無脊椎動物では、排卵後の卵が輸卵管を通って体外に排出されるものや、いったん体腔に出されてから腎管(じんかん)(ゴカイ)や口(クラゲ)から放出されるものがある。[高杉 暹]

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世界大百科事典内の排卵の言及

【基礎体温】より

…この場合,婦人体温ともいう。月経周期につれて体温に変動のみられることは古くから知られていたが,この基礎体温測定法によって,排卵の有無や排卵の時期を判定できることが明らかになった。そのため現在では,基礎体温の測定は,卵巣機能の有効な診断法として広く臨床的に用いられ,簡単で,だれにでもできることから,避妊や自分の性機能を知るために用いられている。…

【月経】より

…卵胞刺激ホルモンは卵胞を刺激して卵胞を成熟させる。卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されるが,排卵直前にピークとなる。この多量のエストロゲンが間脳・脳下垂体にポジティブフィードバックし,黄体形成ホルモンが急に多量分泌される。…

【性器】より

… 原始生殖細胞は,胎生期に盛んに細胞分裂をして数を増して卵祖細胞となる。しかし卵祖細胞の分裂は出生の前にやみ,減数分裂の前期の状態に入り,以後は卵母細胞とよばれる(減数分裂は排卵時に行われる)。卵母細胞は思春期以後,順次成熟するまで,少なくも十数年,長いものは40年も,分裂前期の段階のまま卵巣の中にひそんでいる。…

【発情】より

…また一般的に,発情期の動物は落ち着きがなくなり,しばしば放尿したり,特徴的ななき声をあげ,雌どうしがお互いに乗り合うといった行動を示す。ウサギやネコのような,交尾が刺激となって排卵が起こるものをのぞく多くの動物では,発情中に自然に排卵が起こる。排卵は脳下垂体‐卵巣系のホルモン支配下にあるので,同じホルモンの支配下にある副生殖器にも一定の変化が起こる(内部的発情徴候)。…

【卵巣】より

…上皮は生殖上皮と呼ばれ,卵原細胞oogonium(医学では卵祖細胞と呼ぶ),卵母細胞oocyteなどを含む。両生類や魚類では髄質部を成す結合組織が退化した後は卵巣腔となり,成熟した卵母細胞,または卵は,ここに排卵される。哺乳類の成熟した卵巣には生殖上皮は無く,濾胞細胞に包まれ濾胞follicle(医学では卵胞と呼ぶ)を形成した卵が,結合組織中に存在し,下垂体ホルモンの影響下に,成熟して排卵される。…

※「排卵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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