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黄体機能不全 おうたいきのうふぜんluteal phase defect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黄体機能不全
おうたいきのうふぜん
luteal phase defect

女性側の不妊原因の一つ。排卵後,卵胞は黄体化し,エストロゲンのほかにプロゲステロン分泌するようになる。このホルモンが子宮内膜を増殖期から分泌期に変化させ,受精卵の着床の準備をする。したがって,この着床準備が不十分ならば,妊娠は不可能である。黄体ホルモンの分泌状況は,正確には血中濃度の連続測定が必要であるが,日常的には困難なため,プロゲステロンの温度上昇作用を利用し,基礎体温の型による診断や分類が行なわれている。低温相が不安定なタイプ,高温相が短い (11日以内) タイプなどが,黄体機能不全とされる。治療法としては,ホルモンのバランスを是正するようにホルモンを注射したり,薬を投与する。排卵後に,黄体化作用のある HCG (性腺刺激ホルモン) を1~2日おきに3~4回筋肉注射する。 LH (黄体化ホルモン) 分泌不全が黄体機能不全につながっている場合は,この注射を排卵時に行なう。

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家庭医学館の解説

おうたいきのうふぜん【黄体機能不全 Luteal Insufficiency】

[どんな病気か]
 黄体とは、卵巣(らんそう)において排卵(はいらん)の後に形成される組織で、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンを分泌(ぶんぴつ)します。
 これらのホルモンは、増殖した子宮内膜(しきゅうないまく)にはたらきかけ、分泌期内膜(受精した卵子(らんし)が着床しやすい状態の子宮内膜)へと分化させるはたらきがあります。
 このはたらきが十分でない状態を、黄体機能不全といいます。
[検査と診断]
 簡単な検査法は、基礎体温(コラム「基礎体温とは」)の測定です。
 基礎体温表をつけてみて、高温相が短く9日以内のとき、また高温相と低温相の温度差が0.3度以内のときは、黄体機能不全と診断されます。
 基礎体温でわかる黄体機能不全の代表例は、(グラフ「黄体機能不全のときの基礎体温の例」)に示したように、①階段型、②陥落型、③短縮型、④低温型などがあります。
 しかし、基礎体温の測定は、測定方法や測定器具(水銀やデジタル)、測定環境(部屋の寒暖など)などによる誤差があるため、女性ホルモン値の測定や、子宮内膜の日付け診断を行ない、総合的に診断することがたいせつです。
[治療]
 黄体機能不全に対する治療法は、直接黄体を刺激して機能を活性化させる方法(排卵後にhCG製剤を注射する)と、女性ホルモンを補充する方法があります。
 女性ホルモンを使用する場合は、卵胞(らんぽう)ホルモン分泌不全型、黄体ホルモン分泌不全型、全黄体機能不全型に分類したうえで治療を行ないます。
 また、排卵の状態をよくするために、卵巣機能不全の治療に準じて、クエン酸クロミフェンや漢方薬も使われます。

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