道実島(読み)どうじつじま

日本歴史地名大系 「道実島」の解説

道実島
どうじつじま

[現在地名]三国町汐見

九頭竜くずりゆう川と竹田たけだ川が合流する所に、江戸時代には四つの中州上流から、殿との島・よし島・道実島・新保しんぼ島があったが、そのなかの最大の州。坪江郷奉行引付(大乗院文書)には、明徳四年(一三九三)頃から応永二一年(一四一四)頃にかけての、三国湊と阿古江あこえ(泥原新保浦)との間の、これらの島の所属をめぐる争論の記録があるが、このうち「出来島」は道実島をさし、結果は阿古江側の勝訴となったようである。

古くから泥原新保浦に居住していた道実家は、明暦三年(一六五七)の江戸の大火福井藩邸が焼失した時や、寛文九年(一六六九)の福井大火に際して材木輸送に貢献し、その功によって四代松平光通の頃、この島が道実氏に与えられた(「道実家由緒書」久末家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の道実島の言及

【三国湊】より

…越前国(福井県)坂井郡の九頭竜川河口の港。竹田川が合流する九頭竜川の右岸に位置する。
[古代・中世]
 古くは大和朝廷の水軍の基地として機能したと見られる。また日本海を通して大陸との交渉も見られ,778年(宝亀9)には2年前に来日した渤海(ぼつかい)使を送り届けた高麗殿嗣が渤海の送使とともに三国湊に帰着した。古代越前には多数の東大寺領荘園が営まれたが,その収穫は九頭竜川を下り三国湊から海路敦賀津(つるがのつ)に送られ,そこで陸揚げされたように,三国湊は経済的にも大きな役割を果たした。…

※「道実島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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