道聴塗説(読み)ドウチョウトセツ

デジタル大辞泉 「道聴塗説」の意味・読み・例文・類語

どうちょう‐とせつ〔ダウチヤウ‐〕【道聴塗説】

《「論語」陽貨から》道ばたで聞きかじったことを、すぐにまた道ばたで自説のように、他人に話すこと。有意義なことを聞いても表面だけとらえて、すぐに他人に受け売りすること。また、いいかげんな受け売りの話。

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精選版 日本国語大辞典 「道聴塗説」の意味・読み・例文・類語

どうちょう‐とせつダウチャウ‥【道聴塗説・道聴途説】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「論語‐陽貨」の「子曰、道聴而塗説、徳之棄也」による語で、路上で他人から聞いたことを、すぐにその道でまた第三者に話す意 ) 他人からよい話を聞いてもそれを心にとどめて自分のものとしないで、すぐ他に受けうりすること。転じて、いいかげんな世間のうわさばなし。ききかじりの話。どうていとせつ。
    1. [初出の実例]「故世之好異者、道聴途説、而雖士大夫、亦往往有於沾染」(出典新論(1825)虜情)
    2. [その他の文献]〔漢書‐芸文志〕

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四字熟語を知る辞典 「道聴塗説」の解説

道聴塗説

路上で他人から聞いたことを、すぐにその道でまた第三者に話すこと。他人からよい話を聞いてもそれを心にとどめて自分のものとしないで、すぐ他に受けうりすること。転じて、いいかげんな受けうり、ききかじりの話、また、そのような行為のたとえ。

[活用] ―する。

[使用例] 酔っぱらった高等遊民の群れは 田舎臭い議論を道聴途説し[高村光太郎*夏の夜の食慾|1914]

[解説] 「道に聴きて塗に説く」で、「塗」は「途」に同じ。

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