道行初音旅(読み)みちゆきはつねのたび

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「道行初音旅」の意味・わかりやすい解説

道行初音旅
みちゆきはつねのたび

浄瑠璃景事 (けいごと) 。歌舞伎の所作事。延享4 (1747) 年初演の浄瑠璃『義経千本桜』4段目の道行吉野に逃れた源義経を慕って,静御前が供の佐藤忠信と吉野山へ来る場。主従ながらの色模様や佐藤継信討死にの物語をみせる。この場を初演した政太夫の定紋の源氏車を忠信の衣装に取入れて好評を呼び,以後この演出にならう。この浄瑠璃が歌舞伎化されて舞踊の人気曲となった。義太夫地のほか,常磐津では享和3 (1803) 年の『恋中車 (こいとちゅうしゃ) 初音の旅』,富本では文化5 (08) 年の『幾菊蝶初音道行 (いつもきくちょうはつねのみちゆき) 』などがあり,後者清元に改調し整理したものが,現行の『吉野山』である。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「道行初音旅」の解説

道行初音旅
〔常磐津, 富本, 清元, 竹本〕
みちゆき はつねのたび

歌舞伎・浄瑠璃の外題
初演
安永3.8(江戸市村座)

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