達書(読み)たっしがき

精選版 日本国語大辞典 「達書」の意味・読み・例文・類語

たっし‐がき【達書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (たっし)を書いた文書。ふれのかきつけ。官庁からの通達書。たっしぶみ。
    1. [初出の実例]「御側用人御側衆評定式日立合へ出席之儀に付達書」(出典:徳川禁令考‐後集・第一・巻二・宝暦八年(1758)九月三日)
  3. 特に、江戸時代、寺社奉行勘定奉行が裁判中の被疑者拷問にかけるため、町奉行支配に属する小伝馬町牢屋を借用するとき、問書(といがき)に添えて非番の町奉行に送られる通達書。特別な事情のある場合、または引合人などをも連行する場合に添付され、通常の拷問の際は問書のみしか送られなかった。
    1. [初出の実例]「引合等差出候節は達書添、其外は達書なし」(出典:当用便覧‐三・二三牢問仕立方)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の達書の言及

【達】より

…達物(たつしもの)ともいう。達書(たつしがき)として書面で令達されたほか,口頭で申し渡す口達(くたつ∥こうたつ)もあった。幕府の法令は通常(ふれ)もしくは達の形式で公布されたが,触が比較的広い範囲に触れ知らせるものであったのに対し,達は関係役所または関係者にのみ伝える場合に用いられた。…

※「達書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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