遠侍(読み)トオサブライ

精選版 日本国語大辞典 「遠侍」の意味・読み・例文・類語

とお‐さぶらいとほさぶらひ【遠侍】

  1. 〘 名詞 〙 武家の屋敷で、主殿から離れたところに設けられた警護の武士の詰所内侍(うちさぶらい)に対していう。そとさぶらい。とおさむらい。とざむらい。とさぶらい。⇔内侍(うちさぶらい)
    1. [初出の実例]「玄光法師と金王丸とをば遠侍(トヲサブラヒ)にて若者共中にとり籠」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)下)

とお‐さむらいとほさむらひ【遠侍】

  1. 〘 名詞 〙とおさぶらい(遠侍)
    1. [初出の実例]「ともの衆をばとうさむらいへよび入いと云」(出典:天理本狂言・鶏聟(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の遠侍の言及

【侍所】より

…当初は平安時代の公家の邸宅で従者である侍の詰める所,伺候する所。寝殿の主屋の周囲の廊の部分をいうこともあり,主殿に付属するものを内侍(うちさむらい),邸内に別にあるものを遠侍(とおざむらい)という。藤原道長の《御堂関白記》長和4年(1015)に,政所,侍所という場所の名称がすでに見える。…

※「遠侍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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