遠山茂樹(読み)とおやましげき

百科事典マイペディア 「遠山茂樹」の意味・わかりやすい解説

遠山茂樹【とおやましげき】

歴史家。東京都生れ。専門は日本近代史。東京帝国大学(現,東京大学)文学部国史学科卒業。文部省維新史料編纂事務局,東京帝国大学史料編纂所(現,東京大学史料編纂所)での勤務を経て,1958年横浜市立大学教授となる。第2次世界大戦後,歴史学研究会の代表的な学者として歴史学の革新を推進した。1951年の《明治維新》(岩波全書)は明治維新の国際的条件と国内的条件の内的連環を軸に明治国家の成立の全体像を描いた古典的名著とされる。1955年の《昭和史》(今井清一藤原彰との共著岩波新書)は同時代の国民的体験を客観的・分析的に叙述した現代史として大きな反響を呼び,亀井勝一郎や竹山道雄ら文学者との〈昭和史論争〉を巻き起こした。専修大学教授,横浜開港資料館館長を歴任。《遠山茂樹著作集》全9巻(岩波書店)がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「遠山茂樹」の解説

遠山茂樹 とおやま-しげき

1914-2011 昭和-平成時代の日本史学者。
大正3年2月23日生まれ。文部省維新史料編纂(へんさん)事務局にはいり,東京帝大史料編纂所にうつる。戦後は歴史学研究会に参加し,唯物史観立場から維新史を研究。昭和33年横浜市立大教授,のち専修大教授。55年の今井清一,藤原彰との共著「昭和史」はベストセラーとなったが,その記述をめぐり昭和史論争をひきおこした。56年横浜開港資料館初代館長。平成23年8月31日死去。97歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「明治維新」「自由民権と現代」など。

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