日本歴史地名大系 「那岐神社」の解説 那岐神社なぎじんじや 鳥取県:八頭郡智頭町宮本村那岐神社[現在地名]智頭町大背大背(おおせ)のうち宮本(みやのもと)集落の西方に鎮座し、祭神は国常立神・豊雲野神など一八神。旧郷社。かつては那岐大明神とよばれ、江戸時代には土師(はじ)川上流域の早瀬(はやせ)村からさらに上流の河津原(こうづわら)村までの諸村の総産土神として尊崇されたと伝える。創建年代は不詳だが、次のような草創伝承がある。往古奈義(なぎ)山(那岐山)に伊邪奈義・伊邪奈美の二神が鎮座しており、五月田(ごがつでん)村の神楽丘(かぐらおか)という地で、この二神に神楽を奉納していた。ところが、毎年の暴風雨により凶作が続き、土師谷の人々は美作国勝北(しようぼく)郡の奈義山麓に居住する村人と協議して、二神を奈義山頂より宇塚(うづか)村(近世の東宇塚・西宇塚・河津原の各村一帯にあたる)地内に移し、それ以後穀物の実りがよくなったというもので、この二神が降った地は河津原村と言伝えている(初稿八頭郡誌)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報