なぎ(英語表記)calm

翻訳|calm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「なぎ」の意味・わかりやすい解説

なぎ
calm

海陸風が交代するときの無風状態。陸風が吹きやんで海風が吹き出すまでの午前中に現れる無風状態を朝なぎ,海風と陸風が交代する夕方の無風状態を夕なぎという。なぎのときには海陸温度差はなくなっている。夏季,海陸風の発達が著しいときのタなぎは非常な蒸し暑さを感じさせる。これは気温が上昇するためではなく,海風が急にやんで体感温度が高くなるためである。日本では瀬戸内海の夕なぎが有名。

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世界大百科事典(旧版)内のなぎの言及

【海岸気候】より

…海陸風が発達することも特色で,低緯度地方では年中,中緯度地方では暖候季を中心に昼間は海風が,夜間は陸風が吹く。この海風と陸風が交替するころに一時風がやみ,いわゆる〈なぎ〉の現象が生じ,むし暑く感ずる。海岸気候では潮風の影響や海霧の侵入する地域,台風の襲来をしばしば受ける地域などもある。…

※「なぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」