郎子(読み)イラツコ

デジタル大辞泉 「郎子」の意味・読み・例文・類語

いら‐つ‐こ【郎子】

上代、若い男性を親しんで呼んだ語。いらつきみ。⇔郎女いらつめ
太子菟道稚うぢのわか―、位を大鷦鷯尊おほささぎのみことに譲りまして」〈仁徳紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「郎子」の意味・読み・例文・類語

いら‐つ‐こ【郎子】

  1. 〘 名詞 〙 上代、男子に対する親愛の情をこめた称。いらつきみ。⇔郎女(いらつめ)
    1. [初出の実例]「時に太子(ひつきのみこ)菟道(うちの)稚郎子(わかイラツコ)、位を大鷦鷯尊に譲りて、未即帝位(あまつひつきしろしめさす)」(出典:日本書紀(720)仁徳即位前(前田本訓))

郎子の語誌

「いらつめ(郎女)」と対の語で、「いら」は「いろも」「いろせ」「かぞいろ」など特別な親愛関係を示す「いろ」と関係があり、「つ」はもと、連体修飾の助詞。「いらつめ」と同様、何らかの身分について用いられた一種の敬称と思われるが、平安時代には衰えた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「郎子」の読み・字形・画数・意味

【郎子】ろうし

令息

字通「郎」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android