ろう ラウ【郎】
[1] 〘名〙
① 男子。特に、年若い男子。
※日本一鑑窮河話海(1565‐66頃)五「郎、剌烏(ラウ)、易茲剌課(イラツコ)」
※俳諧・本朝文選(1706)六・誄類、去来誄〈許六〉「此郎は、向井氏玄勝老人の末の子に生れて」 〔
漢書‐佞幸伝・鄧通〕
② 女性から夫、または、情夫をさしていう語。
※南郭先生文集‐初編(1727)一・四時子夜歌八首「郎来苦
二夜短
一、郎往苦
二宵長
一」 〔
孫綽‐情人碧玉歌〕
③ 中国の官の名。
侍郎、員外郎、尚書郎などの
総称。
※
李陵(1943)〈
中島敦〉二「彼は
吉報の
使者として嘉
(よみ)せられ、郎となって」 〔班固‐答賓戯序〕
①
一族あるいは
一家の中での男子の生まれた
順序に従い、数字あるいはそれに準ずる語に付いて、その男子の名を作る。「太郎」「
次郎」「
三郎」など。
② 数字、また、それに準ずる語に付いて、男女の別なく子どもの生まれた順を表わすのに用いる。
※読本・雨月物語(1776)蛇性の婬「男子二人、女子一人をもてり。太郎は
質朴(すなほ)にてよく生産を治む、二郎の女子は
大和の人の
(つまどひ)に
迎られて、彼所
(かしこ)にゆく、三郎の豊雄なるものあり」
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デジタル大辞泉
「郎」の意味・読み・例文・類語
ろう〔ラウ〕【郎】
[名]
1 男子。特に、年若い男子。若者。
2 女性から夫、または情夫をさしていう語。郎君。
「妾は時々に呼吸器となって、―が浮気なる口元を塞がん」〈逍遥・当世書生気質〉
3 中国の官名。侍郎・尚書郎などの総称。
[接尾]数を表す語、またはそれに準じる語に付く。
1 一族あるいは一家の中で、男の子の生まれた順序に従い、男子の名前をつくる。「一郎」「次郎」
2 男女の別なく、子供の生まれた順序を示す語として用いる。
「男子二人、女子一人をもてり。太―は質朴にてよく生産を治む、二―の女子は大和の人の妻問ひに迎へられて」〈読・雨月・蛇性の婬〉
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