都志見村(読み)つしみむら

日本歴史地名大系 「都志見村」の解説

都志見村
つしみむら

[現在地名]豊平町都志見

竜頭りゆうず(九二八・四メートル)を隔てて中原なかばら村の南に位置し、北東野々志ののし(七四一メートル)、南の石仏いしぼとけ(五〇二・六メートル)などに囲まれた盆地村落が広がる。東南は阿坂あざか村、南は吉木よしき村、西は戸谷とだに村、北は西宗にしむね村とも接する。地名は天文一九年(一五五〇)九月七日付の毛利元就同隆元連署証状(吉川家文書)に「笠間知行之内、吉木・都志見・戸谷、従此節可有御知行之由、得其心候」とみえ、吉川元春に都志見ほか二村の知行地が与えられている。元和五年(一六一九)の安芸国知行帳には「辻見村」とあるが、広島藩御覚書帖は「都志見村」と記す。

慶長六年(一六〇一)検地により高七二五・七二二石に決定し、以後変更はない。広島藩領で明知。寛永一五年(一六三八)より明和元年(一七六四)までの免は、上り詰七・四、下り詰は三・一七一であったが、享保一七年(一七三二)虫害による凶作で〇・八、明和二年より定免六・九二となる(国郡志下調書出帳)。農業を主とし、その専業者は村人の九割を占め、農商兼業のうち商に重点をおくもの五歩方、浮過五歩方であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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